2009年2月11日 新しいうつへの多次元的アプローチ
『新しいうつへの多次元的アプローチ』セミナーのお知らせです!
うつは、カウンセリング/セラピー、心療内科などを訪れる理由の最も多い訴えの一つです。
従来のうつは、生真面目な人がなる自罰的な、メランコリー親和型と呼ばれるものでした。
それに対して、新しいうつは、関係性における他罰的なもので、ディスティミア親和型うつと言われています。
次に、従来のうつが単極(一極)性のうつであった一方で、新しいうつは、双極(そううつ、二極)性の内の、うつ極によるもの、という考えがあります。
というわけで、従来のうつと新しいうつとは異なるわけですから、カウンセリング、 プロセワークの進め方に今までのうつへのアプローチとは違った工夫が必要です。
こうした新しいうつを示唆し、うつを包括的に捉えた論文に、笠原 嘉、木村 敏 の両医師による「 うつ状態の臨床的分類に関する研究」 精神神経学雑誌 77、715-735、1975があります。(この論文は、うつに対する統合的、多次元的なものです)
その他、逃避型または未熟型うつと考えられるものもあります。
また、人格障害(自己愛性人格障害や境界性人格障害)が主軸となっているうつ、そし統合失調症に伴ううつもあります。
一方、クライン派の言う「抑うつポジション」は、悲哀や諦念、受容、喪の作業に伴います。
それらに対して、元型的心理学のジェームス・ヒルマンやトマス・ムーアはうつを魂の故郷であり、そこに向かってdeepening(プロセスを深める、心を掘る)ことが(特に中年期以降)大切だと考えます。
ユング派の精神科医D.ローゼンは、うつに引き起こされる自殺は、自我殺し(ego-cide)に取って代われることを通して、精神的な「死と再生」による心の変容について述べます。
さて、私たちのプロセスワークは、世界中に蔓延する軽うつは、私たちが夢やドリーミングから切り離されていることが原因だと言います。
技法的には、うつを一次プロセスのうつか、二次プロセスのうつかを見極め、 それぞれにふさわしいアプローチを丁寧&慎重に試みます (ミンデルは、二次プロセス的うつを危険視しています。この点については、セミナーでお話しします)。
ところで、包括的&多次元的療法となった今日のプロセスワーク(レンボー療法)は、 以上のすべてを、統合的に取り扱っていきます。
このセミナーでは、特に、新しいうつに対する多次元的、包括的アプローチについて ご紹介します。
また、参加者に医師の方がいらっしゃる(予定)ので、話し合いながら、各うつ に対する、投薬や入院の基本についても学びましょう(予定)。
うつに対する基礎を全般的に理解する良い機会となると思います。
みなさまのご参加を心よりお待ちしています。
Contents
日時、場所、参加費、講師
日時:2月11日(水、祝) 10:00~17:00
(開場は9:50です)
場所:都内
参加費:21,000円
講師:富士見ユキオ
お問い合わせ
〒107-0052 東京都港区赤坂4-4-18-3F
Fax:03-5570-2860
Email:gdmwx113*ybb.ne.jp(*を@に変えてください)