自著紹介:「人間関係のレッスン」

自著紹介「人間関係のレッスン
講談社現代新書
向後 善之(本学会常任理事)

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 今の世の中、人間関係を作っていくのもなかなか大変です。自分の意見を言ったら、「空気を読め」と言われるし、それではというわけで、「空気を読んで謙虚に行動した」と思っていたら、今度は、「君には自分が無いのか」と非難されてしまうなどということが起こり得ます。非常に多くの人達が、大なり小なり、人間関係の悩みをお持ちなのではないかと思います。実際、最近カウンセリングオフィスに来られる方の相談内容で最も多いのが、人間関係の悩みです。彼らの多くは、自分では普通にふるまっていると思っているのに、職場の上司や同僚との関係がどうもうまくいかず、精神的に落ち込んでしまったり、不安になったりしています。

 例えば、ついついいい人を演じてしまって、なんでも引き受けてしまう結果になり、身動きが取れなくなる人、ちょっとしたことを決められず、「今日のランチどこに行こうか?」と聞かれても、「どこでもいいよ」と言ってしまうように、自分の意見を言えない人、がんばりすぎて燃え尽きてしまう人、どうせ自分の意見なんか受け入れられないと思って、隠れてしまう人など、人間関係でつまずくパターンがあります。

 実は、そうしたパターンの中には、自分を変えていく、つまり、自己成長のためのヒントがあります。「人間関係のレッスン」では、そうしたパターンのいいところを認めながらも、自分の正直な感覚や感情に気づき、自己一致した人間関係を作っていくために書かれました。そのための手法として、トランスパーソナル的なアプローチを中心に紹介しています。

 さらに、人間関係を徹底的に破壊してしまう、パワハラやいじめなどのモラルハラスメントについて、そのメカニズムと対処法についても示しています。

 ご興味のある方は、お読みいただければ幸いです。そして、お読みいただけないまでも、本屋さんで「人間関係のレッスン」を見つけたら、「あっ、これ、いい本だよね」とわざとらしくでも言っていただけるとうれしいです。