不安障害/強迫性障害とプロセスワーク

「不安障害/強迫性障害とプロセスワーク」

1)「不安障害/強迫性障害」は、「神経症レベル」に属しています。

「神経症」は、ドイツ語の”Neurose、「ノイローゼ」”や
英語の”neurosis、「ニューロシス」”と呼ばれるものですが、

(当時の呼び方で言うと)「神経病医」
~注、精神科医や心療内科医ではなく~
であったフロイトの古典的精神分析の基礎となった「病態レベル」です。

ですので、今回のセミナーでは、
古典的精神分析や現代心理療法の基本を学ぶことができます。

フロイトは、「神経病医」であったので、
「精神病」や「心療内科/心身医学」また今日で言う「パーソナリティ障害」には、
疎(うと)かったと考えられます。

2)昨年は、「神経症レベル」のものとして、「強迫神経症」を題材に選びましたが、
今年はそれに加えて、「不安神経症」を中心に進めます
~また、時間が許せば、「パニック障害」についても触れたいと考えます~。

3)さて、「不安」は、心理療法の文脈では、「恐怖」と比較して捉えられてきました。

(A)「恐怖」は、「明確で具体的な」対象に対する「恐れ」の感情であるのに対して、

(B)「不安」は、対象が「曖昧(あいまい)」だったり、
「とらえがた」かったり、
「不明瞭」であったり、
場合によっては、何と、対象が『無い』「恐れ」の感情です。

4)(A)「恐怖」も、

(B)「不安」も

共に、「恐れ」の感情なのですが、

深層心理学や「神秘主義」的には、

(A)「恐怖」は、具体的『外的』対象物に対するものである一方で、

(B)「不安」は、「外的」対象物を必ずしも持たない/「外的」対象が無い、
『内的』対象に対するものです。

そうした恐れの典型的なものは、「精神病レベル」における
「内的な/内側」からやってくる/浮上してくる

例えば、内部崩壊(心/人格が内側から崩れる)
という「外的対象物」を持たない「恐れ」、

つまり「不安」です。

5)それは、ユング的には、私たちの個人を超えた「集団/種」としての次元
(集団的無意識)、
ないしは「元型的」レベルという『内層』からやって来るものです。

それは、「チベット死者の書」の「バルド」や、
いわゆる「カルマ(業)」の領域に根差した「恐れ」です。

6)「集団的無意識、元型、バルド、カルマの領域」は、

「精神病」的次元であると共に、

マイケル・ウオッシュバーン的には、
「トランスパーソナル」な領域でもあるため、

その「恐れ」や「不安」は、

臨床的プロセスワークやトランスパーソナル心理療法によれば、

『畏れ』、『畏怖の念』に変容可能です

~注:畏れや畏怖感情は、
「大いなるもの、神的なもの、スピリチュアルなもの」に
対する基本感情です~。

今回は、「不安障害/強迫性障害」といった神経症レベルに着目しますが、
同時に精神病レベルにも眼差しを向け、
さらには、トランスパーソナルやスピリチュアルな領域にも配慮します。

このテーマにご関心のある対人援助の専門家や学生の方、
また一般の方、初心者の方のご参加をお待ちしています。

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日時:5/19(日) 10:00~17:00(開場9:50)

講師:富士見ユキオ

会場:都内

参加費:21,000円(税込)

お問い合わせ先:プロセスワーク研究会
FAX:03-5570-2860
E-mail:
URL:www.fujimi.in