自著紹介 『「とりあえず、5年」の生き方 逆算式人生5ケ年計画法による「悔いのない人生」のつくり方』諸富祥彦

自著紹介
『「とりあえず、5年」の生き方
逆算式人生5ケ年計画法による「悔いのない人生」のつくり方』
(実務教育出版)
諸富祥彦
(本学会会長 明治大学文学部教授)

「とりあえず、5年」の生き方
諸富祥彦
実務教育出版

 

私のこれまでのカウンセリングなどの経験では、人生に吹く流れのようなものが、おおよそ、5年周期程度で切り変わっていくように感じられます。

5年もたてば、味覚も変わり、異性の好みも少しずつ変わっていくように、こちらの感じ方、考え方も5年たてばだいぶ変わってきて、つきあう人のタイプや、仕事で出会う人も、5年経てばだいぶ変わっていくようです。

そう考えると、「人生のステージそのものも5年単位で切り替わっていく」とイメージして生きていくのが理に適っているように思えます。これから先、5年くらいは私も今の私とそれほど変わらない「同じ私」として生きているように思えるけど、5年をすぎて6年経ち、7年経ちしていくうちに、私も今の私とは異なる私になっていくように思えます。

「人生、5年周期で、人は新たな自分に、生まれ変わり、死に変わっていく」――だとすれば、今の自分のしたいこと、どうしてもやっておきたいことは、やはりこの5年のうちにやっておいたほうがいい、ということになります。

こうした考えから私が提案したいのが、「逆算式人生5ケ年計画法」です。

おそらくはまだ生きており、それほど自分に大きな変化も生じていないと思われる「5年後」に視点を置いて、そこから現在へと逆算式に、「仮に5年後に死んでも悔いが残らないためには、いつ何をしていくか」計画を立てて、2週間以内に具多的なアクションを起こして実行していく、という方法です。この人生でどうしてもしたい、やっておきたいと思うことは、たとえ5年後に死んでもいいようにやっておくことが、「悔いのない人生」をつくっていく上での最大のポイントではないかと私は思うのです。

また、現実的に考えても、これから10年後となると、自分が生きているかどうかも定かではありませんが、5年くらいであれば、まだ、ほぼ確実に生きているように思えます。そうだとすれば、あるかないかもわからない10年後をあてにして、長期の人生計画を立てて「したいことは先送り」「今は我慢、我慢」で生きていくのは、やはりリスクの高すぎる人生計画と言わざるをえないでしょう。

実際、私の見聞するところ、70歳を超えて生きている人は、80後半や90まで生きる人がきわめて多いのに対して、70歳よりも早く死ぬ人、特に男性には、五十代前半や半ばで亡くなる方も少なくないようです。

そう考えると、私の余命も、あと5年と少々しか残っていない可能性も、それなりにはあるのです。そしてもしそうなったら、あと30年生きるつもりで「いつか」「そのうち」と考えて、ほんとうにしたいこと、やりたいことを先延ばしにしてしまっていたら、死ぬ間際に断末魔のような叫び声をあげることになってしまうと思います。

「こんなはずじゃなかった」「まだまだ死ねない!」と。

そんなことを考えていると、とりあえず、人生あと5年程度のつもりで生きて、たとえ実際そうなったとしても、「やりたいことはひととおりした」「どうしても、これだけはしておきたいと思っていたことは大方した」と思えるような生き方を日々心がけて生きていくことが、賢明な生き方であると思えるようになってきました。

死ぬときに後悔したり、慌てふためいたりせずにすむためにかけておくのが「保険」だとすると、人生最大の保険は、死んだ後で遺族に支払われるお金などではなく、たとえ死が予定外に早く訪れたとしても後悔しないですむように、「この人生でしたいこと、しておくべきことを確実にやっておくような生き方」を日々こころがけて生きることなのではないかと考えるようになったのです。

そんな生き方を実現するために、拙著『「とりあえず、5年」の生き方 逆算式人生5ケ年計画法による「悔いのない人生」のつくり方』(実務教育出版)において、私がみなさんに送りたいメッセージは次の5つです。

●いつかしたい、そのうちやってみたいと思っていることは、先延ばしせず、今、しなさい。そのうちしたいと思っていることは、前倒ししてどんどんおこなっていきましょう。
●人生でもっとも大切なものは時間です。なかでも最も大切なのは、大切な人とのふれあいの時間です。なぜならそれは、二度と戻ってはこないからです。仕事のスケジュールを手帳に書き入れる前に、大切な人とのふれあいの予定(例:娘と映画にいく時間、恋人と食事にいく時間など)を先に入れてしまいましょう。
●したいかしたくないか自分でもよくわからないことは、しない、と決めましょう。そんな無駄な時間は、あなたにはないのですから。だらだらと習慣化した無駄なことに時間を浪費しないように、NOT TO DO リスト(これはしてはならない、ということのリスト)をつくりましょう。
●いったん立てた目標に固執するのは、やめにしましょう。無駄だと思ったら、思い切って捨て去りましょう。
●2週間以内に何もはじめない人は結局、いつまでたっても何もしない人です。人生を変えるためには、どんな小さなことでもいいので、2週間以内に何かを実行することです。

よければ、ぜひ本書をお読みください。