クライン、ビオン、オグデンとプロセスワーク

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9/23(金、祝)10:00~17:00

「クライン、ビオン、オグデンとプロセスワーク」

今回は、「クライン、ビオン、オグデン」という三大心理療法家に着目しながら、
心理療法家、プロセスワーカーとして腕を磨くことを目指します。

(1)さて、みなさんはトーマス・オグデンという名前をご存知でしょうか?

アメリカの精神分析の中で正統派に属しながら、現在、最も革新的で
オリジナリティ溢れる精神分析医の一人です。

オグデンは、ミンデルがユング派から距離をとり始めて、
「関係性」について独自に考えていたときに、特に参考にした一人でした。

(2)ところで、(a)ユング派 (ユング派の中の、古典学派や元型学派と
呼ばれるグループ) では、セラピストークライアント「関係」に着目することは、
あまりありません。

代わりに、クライアントのイメージ(例えば夢や描画や箱庭など)に
注意を向けていきます。

従来のユング派では、セラピストークライアント関係は「横」の関係であり、
そこを取り扱うことは、カウンセリングのプロセスを『浅い』ものにしかねない、

(b)そうではなく、カウンセリングを『深める』には、そうした横の関係性を
一旦脇に置いて、「縦」の関係(意識と無意識の関係)に着目しなければならない、

それには、クライアントのイメージに着目すること、あるいはイメージに
沈潜することが重要である、と考えます。

(3)それに対して、ミンデルは、プロセスに深く関与する上で、「関係性」は
邪魔になるどころか、サポートになるのではないか、と仮定しました。

そして、セラピストークライアント関係のプロセスや、身体のプロセスは、
イメージ(夢や描画、箱庭)のプロセスと同じように大切であると、考えるようになります。

そこから、「関係性」、「身体」、「イメージ」を同等に扱い、
後に「チャンネル」という観点から各プロセスを切り取っていきました。

(4)プロセスワークの関係性のワークで独自なものに、「ドリームアップ」や
「エンタングルメント(もつれあい)」があります。

(プロセスワークの最重要概念ですので、セミナーで詳細に説明致します)

そうした考え方は、T.オグデンの「第三主体」などの影響を強く受けています。

(これについてもセミナーで学びます)

ミンデルの著書の一つに『人間関係における未知なるもの』(日本教文社)が
ありますが、その参考文献の中に、オグデンが入っています。

他の著書でもプロセスワークの関係性との取り組みにおいて、
オグデンはハインツ・コフートと共に、実は背景で良く使われています。

(5)オグデンは、近年まで訳されることはあまりまく、日本の心理療法家に
知られることは少なかったのですが、プロセスワークがその成立初期から
参考にして来た精神科医です。

この辺りのことは、従来プロセスワークでは語られることはありませんでした。

今回のセミナーでは、私たちがミンデル博士夫妻と個人的に議論したことを踏まえて、
オグデンとプロセスワークについて、基本からお話したいと思います。

(* オグデンの心理療法は、ヘーゲルの弁証法を基礎においていますが、
それは、老荘思想をベースに、心理療法を「流れ」から捉えていくプロセスワークと
類似点が多々あります)

(6)さて、ドリームアップ、エンタングルメント、ゴーストロール、ホットスポットなどへの
理解は、関係性との取り組み、家族療法、統合失調症水準、
重篤なパーソナリティ障害との心理療法やプロセスワークに不可欠です。

今回のセミナーでは、オグデンとミンデルという現存している最良の心理療法家を
比較検討し、また批判的にも読みながら、心理療法や関係性について学びます。

(クライン、ビオンについては、次回以降に書きます)

初心者の方を含めて、みなさまのご参加を心からお待ちしています。

日時: 9月23日(金、祝) 10:00~17:00(9:50開場)

会場:都内

講師:富士見ユキオ

参加費:21,000円

お問い合わせ先:
E-mail:
FAX:03-5570-2860
URL:www.fujimi.in