会長挨拶（諸富 祥彦）

　みなさん こんにちは！本学会の会長の諸富です。これから4 年間、心意気も新たに頑張りたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

　私は、この学会の3 代目の会長です。なぜまた今期もこの役をお引き受けすることにしたのか。それは、このまま辞めてしまっては、役割を果たさずに辞めたことになりはしまいか、という思いがあるからです。

　私たちのトランスパーソナル運動は、こころざし半ばのままです。

　その一つの原因は、昨今のスピリチュアルブームにもあるでしょう。多くの人から見ると、ほんものと偽もの、あやしいものと真の自己成長につながりうるものとの区別がつきにくいということもあるでしょう。

　しかし、トランスパーソナルという概念がもっている重要性は、こんな時代だからこそ、ますます大きくなるはしても、減じることはないように思います。

　トランスパーソナルとは、「個の確立」（パーソナル）をベースにして、超越的な次元に至るまで自己生成していく精神といとなみを指す言葉です。

　個人の依存心を刺激して、お金を巻き上げる怪しい霊能者やにせもの占い師がはびこり、人々の依存心がさらに助長されてしまっているこのような時代あってこそ、ますます重要になってくる理念がそこには込められているはずです。

　私たちはもっともっと、この概念の持つ重要な意味を社会に発信していくべきではないでしょうか。

　その旗振り役を僭越ながら務めさせていただきます。

　まずは、スピリチュアル・サイコロジストといったきわめて良質な心理学の資格認定をこの学会でおこなうべきではないかと考えています。

　スピリチュアルな次元を重要視しながら、個人の自立（依存ではなく!）と自己成長をほんとうに大切にサポートできる、そのためのきわめてレベルの高い学識と心理学的技術を備えた専門家が、日本にはごく少数ですが、います。そんな専門家の存在を社会的にアピールすることを通して、トランスパーソナルという概念の重要な意味を発信していくことができるのではないか、と考えているからです。

　「あぁ、ここには、ほんものがある」

　そんなふうに言っていただける学会を目指して、4 年間の任期をアグレッシブに務めさせていただきたいと考えています。

　どうぞよろしく!