2022年6月22日(水)〜「死と看取りセミナー」逝く人へ 看取る人へ 豊かな最期を迎えるために

*関係セミナー情報です。問い合わせ申し込みは主催者まで*

サンガ新社 連続オンラインセミナー
「死と看取りセミナー」
逝く人へ 看取る人へ 豊かな最期を迎えるために
主催:サンガ新社
2022年6月22日(水)~9月20日(火)全5回

団塊世代の大量死時代を迎えるこれから、看取る家族はどのように家族の死と向きあったらよいのでしょうか。また、逝く人は自らの最期をどのように受け止め、迎えていくのでしょうか。死に逝く人とともに、時間と空間を共にするとき、そこで何をするか。何をしないか。どうあるか。何を意識するか。対話があるのか。語り掛けなのか。ただただそばにいて、手を握っているのか。目を見て言葉によらない対話をするのか。状況も状態も様々でも、そこに「逝く人」と「送る人」いることに変わりはありません。あるいは、「送る人」のいない場合もあるでしょう。死は等しく誰もが経験することですが、「逝く」とき、私たちは何を経験するのでしょうか。どのようにその時を迎えたらよいのでしょうか。

看取りの環境はこの約10年で大きく変化しつつあります。日本の病床数は減少し、病院での死から自宅での死に移行しつつあります。それは、看取りの環境を家族が作ることが求められていることでもあります。看取りの場は、主体的に、意識的に働き掛けないと作れません。状況に流されず、逝く人との最後の時間を持つためには何をすればよいか、現在の医療のシステムもふくめ、知っておくべきことは何か。戦後、在宅での看取りの文化が途切れた私たちには、それらは未知のことばかりです。

このオンラインセミナーでは、看取る人が知っておくべきことや、心に置いておいたほうが良いことを学ぶとともに、逝く人が自らの死生観を見つめ直すきっかけを作ることができればと思っています。看取りの体験は、残された人の人生を充実させ、人生の土台を作ることにもなります。「看取りきる」経験は、残された人の人生を豊かにすることでもあります。

看取りの瞬間を現実的なこととして考えることのできる世代、リアリティをもってとらえることが必要な人々を意識して、企画しました。今は遠い先のことと思い漠然としていても、その時は必ずやってきます。最期の時に向けて、看取りの現場、その時間を、豊かに意味のあるものにすることはできると、私たちは考えています。看取りをめぐる現在を考えながら、豊かな最期を迎えるためにはどうしたらよいかを、具体的に考えていければと思います。

【参加方法】

◆各回ごとにご参加いただけます。
◆全5回を通し券でお申込みいただくと、割引価格でご参加いただけます。
◆各回zoomで開催します。(見逃し配信もあります)
◆第5回永沢哲先生の回はライブ配信ではなく事前収録の配信です。
◆見逃し配信のみ(全5回セット)のチケットもご用意しています。

【全5回の日程・講師・テーマ】

■第1回
2022年6月22日(水)20時~21時30分
玉置妙憂先生(看護師・僧侶)
「「看取り」をめぐる総論~最期の時を病院で迎えるか、自宅で迎えるか」

■第2回
2022年7月20日(水)20時~21時半
稲葉俊郎先生(医師、医学博士)
「死にゆく人との対話~昏睡状態の方とのコミュニケーション」

■第3回
2022年8月24日(水)20時~21時半
石川勇一先生(臨床心理士、公認心理師、相模女子大学人間社会学部人間心理学科教授、行者)
「初期仏教の視点からの死と看取り」

■第4回
2022年9月13日(火)20時~21時半
アルボムッレ・スマナサーラ長老(初期仏教長老)
「お釈迦様が教えた看取りの作法」

■第5回
2022年9月20日(火)20時~21時半
永沢哲先生(宗教学者)
「死に逝く修行者への助言~慈しみの中で死ぬ」
※事前収録

【チケット種別】

各回:3,000円(当日参加+見逃し配信)
割引全5回通し券:13,000円(当日参加+見逃し配信)
見逃し配信全5回券:11,000円(見逃し配信のみ)

※全5回通し券は、第1回から第5回まで全5回の見逃し配信付き参加券です。
※見逃し配信全5回券は、第1回から第5回まで全5回の見逃し配信のみご視聴いただけるチケットです。
※全ての回の見逃し配信は9月27日(火)までです。

【各回内容】

■第1回

【日程】
2022年6月22日(水)
20時~21時30分
「「看取り」をめぐる総論~最期の時を病院で迎えるか、自宅で迎えるか」
玉置妙憂先生(看護師・僧侶)

看取りをめぐる社会的な状況、制度的なこと、またこれからの在り方と方向性、そのための具体的な取り組みなど、「看取り」をめぐる現在を、看護師で僧侶、ケアマネ-ジャーでもある玉置妙憂先生にご講義いただきます。玉置先生は現役の看護師としてクリニックに勤めるかたわら、非営利一般社団法人大慈学苑代表としてスピリチュアルケアの専門家の育成を行っています。「看取りを考えることがなぜ必要か」お話しいただきます。

【講師コメント】
終の棲家をどこにするか。誰もが一度は考えることなのではないでしょうか。自分なりの方向性を決めておくためには、まず、日本社会の現状と、医療・介護の現場で起こっている実際を知っておくとよいかもしれません。そして、もうひとつ、「死」「看取り」をどのように捉えるか、自分自身の考え方の整理をしておくことも必要だと思います。それらを踏まえた上で、家族のこととして、また我がこととして、「看取り」についてご一緒に考える時間にしたいと思います。

【プロフィール】
玉置 妙憂(たまおき・みょうゆう)
看護師・僧侶・スピリチュアルケア師・ケアマネ-ジャー・看護教員
東京都中野区生まれ。専修大学法学部卒業。その後、看護師、看護教員の免許を取得。自身の夫の“自然死”という死にざまがあまりに美しかったことから開眼し出家。高野山にて修行をつみ高野山真言宗僧侶となる。現在は、現役の看護師として緩和ケア病棟に勤めるかたわら、院外では、非営利一般社団法人大慈学苑代表として活動している。朝日新聞、読売新聞はじめ新聞各紙及び週刊誌等に執筆多数。NHK・クローズアップ現代(2019年4月放送)他、テレビへの出演多数。

■第2回

【日程】
2022年7月20日(水)
20時~21時半
「死にゆく人との対話~昏睡状態の方とのコミュニケーション」
稲葉俊郎先生(医師、医学博士)

病院医師として、また在宅医として、臨床の第一線において多くの看取り現場に立ち会っておられる稲葉俊郎先生に、死にゆく人とのコミュニケーションについてお話をいただきます。逝くこと、看取ること、そこで起きていることへの知見をお伺いし、昏睡状態の方とコミュニケーションをとる方法として知られるコーマワークの方法などを学びたいと思います。看取りの時を迎えるにあたって、その時を意味あるものとする技と知見を稲葉先生から学びたいと思います。

【講師コメント】
医師として病院で働きながら在宅医療にも従事しています。病院での看取りと自宅での看取りでの印象的な症例を紹介しながら、いのちや生死の本質を考えたいと思います。また、プロセス指向心理学の創始者であるアーノルド・ミンデルは、昏睡状態(Coma:コーマ)の人々とコミュニケーションする方法としてのコーマワーク(Coma Work)の実践を行っています。コーマワークの実践から、非言語でのコミュニケーションにおいて大切なことを共有したいと思います。

【プロフィール】
稲葉俊郎(いなば・としろう)
1979年熊本生まれ。医師、医学博士、東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014-2020年)を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長、信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任(山形ビエンナーレ2020芸術監督就任)。2022年4月より軽井沢病院長。在宅医療、山岳医療にも従事。未来の医療と社会の創発のため、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に行っている。単著『いのちを呼びさますもの』(2017年)、『いのちはのちのいのちへ』(2020年)(アノニマ・スタジオ)、『ころころするからだ』(2018年、春秋社)、『からだとこころの健康学』(2019年、NHK出版)、『いのちの居場所』(2022年、扶桑社)など。
HP:https://www.toshiroinaba.com/

■第3回

【日程】
2022年8月24日(水)
20時~21時半
「初期仏教の視点からの死と看取り」
石川勇一先生(臨床心理士、公認心理師、相模女子大学人間社会学部人間心理学科教授、行者)

長年セラピストとして、また臨床心理士として心のケアに当たってこられた石川勇一先生テーラワーダ仏教の修行者でもあり、セラピーの中心に初期仏教の修行からの知見を据えられています。仏教の初期経典が伝える死生観、生と死の体系とはどのようなものか。死に逝く時に備えての心構え、看取る瞬間に意識すべきことなど、西洋のセラピーと仏教のダンマの統合したダンマ・セラピーの実践・研究の視点からお話しいただきます。

【講師コメント】
解脱していないすべての生命は、自らの欲望に突き動かされ、支配され、生涯を通じて多くの獲得を望みますが、実際には獲得できない苦しみを多く味わいます。たとえ獲得できたとしても、永遠に保持できるものは世間には存在しないので、いずれ必ず喪失を経験します。得られない苦しみも大きいですが、得たものを失う苦しみも耐えがたいものです。そして最後には誰もが老病死を迎えるという事実に苦悶します。この不可避の苦しみと向き合い、援助するには、心理学などの世間的な知識では歯が立ちません。唯一、人間存在の苦しみに根本解決の道を指し示す、ブッダの出世間法(lokuttara dhamma)と瞑想法がどのように役立つのかを考えてみたいと思います。

【プロフィール】
石川勇一(いしかわ・ゆういち)
1971年、神奈川県相模原市生まれ。現在、山梨県山中湖村在住。行者(修験道、初期仏教)。臨床心理士、公認心理師、相模女子大学人間社会学部人間心理学科教授。日本トランスパーソナル心理学/精神医学会前会長。早稲田大学大学院人間科学研究科卒。心理療法、瞑想、ダンマを統合した独自のダンマ・セラピーを実践・研究。病院心理カウンセラー(精神科、心療内科)、大学学生相談員等を経て、現在、法喜楽庵(心理相談室)・法喜楽堂(瞑想修行道場)代表(houkiraku@ahr.sakura.ne.jp)。心理療法を25年以上、瞑想会・リトリートを15年以上実践。修験道(熊野)、アマゾン・ネオ・シャーマニズム(ブラジル)、上座部仏教短期出家(ミャンマー、タイ)等の修行を経て、初期仏教に基づく独自の修行・研究・臨床実践を行う。主な著書に『心を救うことはできるのか:心理学・スピリチュアリティ・原始仏教からの探求』(サンガ)、『修行の心理学:修験道、アマゾン・ネオ・シャーマニズム、そしてダンマへ』(コスモス・ライブラリー)、『新・臨床心理学事典:心の諸問題・治療と修養法・霊性』(コスモス・ライブラリー)、『スピリット・センタード・セラピー』(せせらぎ出版)、『心理療法とスピリチュアリティ』(勁草書房)など。『短期出家修行による心の変化(仮題)』(サンガ新社、2022年末頃刊行予定)。

■第4回

【日程】
2022年9月13日(火)
20時~21時半
「お釈迦様が教えた看取りの作法」
アルボムッレ・スマナサーラ長老(初期仏教長老)

死を迎える人を看取るとき、私たちはどのように向き合っていけばよいのでしょうか? 近年は、病院や施設での看取りだけでなく、自宅で家族だけで看取り、在宅医が最期の診断をするかたちもあります。誰もが死を迎えます。そして、様々なかたちの最期があるなかで、安穏に満ちた看取りの場をつくっていくために大切なことはなんでしょうか。初期仏教長老のアルボムッレ・スマナ―ラ長老には、まず「死とは何か」ということをあらためて教えていただきながら、看取る人がどのように逝く人に接していけばよいのか、どのような看取りの環境を作っていけばよいのかについて、お釈迦様の教えをもとに教えていただきます。

【プロフィール】
アルボムッレ・スマナサーラ Alubomulle Sumanasara
テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『ブッダの実践心理学 アビダンマ講義シリーズ』(藤本晃氏との共著)(以上、サンガ新社)、『ヴィパッサナー瞑想 図解実践―自分を変える気づきの瞑想法【第4版】』『慈悲の瞑想〔フルバージョン〕』(以上、サンガ)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『ブッダ―大人になる道』(ちくまプリマー新書)、『Freedom from Anger』(米国Wisdom Publications)など多数ある。

■第5回

【日程】
2022年9月20日(火)※ライブではなく事前収録動画の配信となります。
「死に逝く修行者への助言~慈しみの中で死ぬ」
永沢哲先生(宗教学者)

チベット仏教に伝わるテキスト「死にゆく修行者への助言」を4~5つのポイントから説明いただき、死のプロセス、死に逝くときの準備をプラクティスの実践を交えて、チベット仏教を研究する宗教学者である永沢哲先生より学びます。またチベット密教の経典として有名な『チベットの死者の書』の本質、看取りの時における慈しみの実践についてのご解説と指導をいただきます。

【プロフィール】
永沢哲(ながさわ・てつ)
1957年生まれ。宗教学・身体論。東京大学法学部卒。京都文教大学准教授、上智大学グリーフケア研究所客員准教授などをへて、アティ・ゾクチェン研究所所長。修行体験、文献研究、フィールドワークを融合する作業を進めている。現在の主な関心は、チベットに伝承されるゾクチェン密教、仏教哲学と科学のインターフェース、仏教の叡知の復興、宗教とアート。死をめぐるワークショップを行っている。主な著書に、『野生のブッダ』(法蔵館)、『野生の哲学―野口晴哉の生命宇宙―』(筑摩文庫、湯浅康雄賞)、『瞑想する脳科学』(講談社)、監修および編著に『サンガジャパンVol.24チベット仏教』(サンガ)、『チベット仏教の世界』(法藏館)、論文にThe Rainbow Body, in J.Oliphant&D.Rossi(eds.)Shar ro:Festschrift in Honor of Chogyal Namkhai Norbu, Garuda Verlagなどがある。

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【オンラインサンガのご案内】

◆オンラインサンガ会員価格:各チケット半額
サンガ新社の会員制オンラインコミュニティ「オンラインサンガ」(月会費:5,000円)にご入会されますと、各チケットが半額でご購入いただけます。
ご入会は下記サイトよりどうぞ。
https://online.samgha-shinsha.jp/

■主催:株式会社サンガ新社
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