2019年8月25日 家族に潜むグレートマザー、その多次元的取り組み ~家族療法のパラダイム・シフト~

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「家族に潜むグレートマザー、その多次元的取り組み
~家族療法のパラダイム・シフト~」セミナー

開催日:8月25日(日)

会場:都内・永田町の会議室。先着順です。

遠方の方も、USB(音声データ)と資料の形で、
セミナー内容をご購入いただけます。

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Mail:
Fax:03-5570-2860

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1)良質な家族とは、どういった家族でしょう?

ハインツ・コフートが創始した自己心理学的には
「統合力」や「凝集力」のある家族が、
強く、健康で、良質とされます。

一方、バラバラでまとまりがなく、拡散している家族は
脆く、機能不全に陥っている、と仮定します。

2)ただし、家族の統合力や凝集力は、
「分化」や「多様性」、「他者性」、「独自性」、
「差異」を肯定したものでなくてはなりません。

同調圧力の強い同質的家族は、
一見、絆で結ばれているようにみえますが、
統合力や凝集力が弱く、分化、多様性、独自性に
免疫がありません。
< br>このタイプの家族は、統合や凝集でなく、
「未分化」な「融合」状態にあります。

3)あなたは、<統合や凝集>と、
<融合>の違いがイメージできますか?

<統合や凝集>は、違いや多様性や独自性を
肯定するものであるのに対し、
<融合>は、違いや多様性やオリジナリティを
排除し、同質性を追求するものです。

後者に典型的なのは、中学の同窓会を中心に形成された
ジモティやヤンキー、ムラ社会、ママ友グループです。

<統合や凝集>は「分化」を肯定、受容しますが、
<融合>は「分化」を排除し、「未分化」に留まった
状態です。

4)融合状態にいるファミリーが、
グレートマザー・タイプの家族です。

家族療法を実践している と、
グレートマザーに支配されたファミリーに
出会うことが、たびたびあります。

グレートマザーは、家族のありようと密接な関係が
あるといわれる現代の心理的課題、たとえば
摂食障害、アルコール依存、ギャンブル依存、
DV、共依存、解離、心身症、引きこもり、盗癖など
の背景に、必ずと言っていいほど潜んでいます。

グレートマザーは、ユングが個人療法向けに
提示した概念ですが、
家族療法にこそふさわしい眼差しです。

5)今回、家族療法をグレートマザーとの関連で
取り上げます。

従来の家族療法には、
ユング心理学やトランスパーソナル心理学の
臨床実践や知見が取り入れられることは、
ほとんどありませんでした。

今回、グレートマ ザーをキーワードに、
家族療法を多次元的にとらえ返します。

従来の家族療法にパラダイム・シフトを試みます。

6)ユングはグレートマザー(Great Mother、太母、
母なるもの)を、実際の人物というより、「働き」であり、
「力」、つまり「元型」ととらえました。

が、働きや力では理解しづらいので、しばしば
擬人化して説明しました。

グレートマザーは、子どもに愛を尽きることなく
与える母にたとえられます。

が、それは、子どもが、あくまでグレートマザー
にとってかわいく、愛おしい存在である限りにおいて、です。

もし、子どもが母なるグレートマザーから離れ、
自立し、自活を試みようとするなら、
彼女はとたんに、ある時は、角の生えた般若のように
目をひんむきつり上げて、怒り、
子どもに襲いかかります。

別な時は、子どもの自立心を巧妙に聞き流し、
無視し、挫(くじ)き、自立を 阻みます。

どうしてでしょうか?

それは、子どもの独自性、それまでとの差異、
自分(=母なるグレートマザー)からの 分化、自立が
耐え難いからです。

7)組織に例えると、組織に同調する
従順なメンバーをかわいがり、
自立心のある異質で独自な考えを持ったメンバーを
排除します。

グレートマザーに支配されたグループは、
同質性の強い融合的組織です。

8)融合的組織は同質性によって絆を作り
まとまっているため、異質性にはとても脆い。

異質性、オリジナル性を受け入れると、
組織がバラバラになりかねません。

異質さや独自性、多様性、他者性を
統合する術(すべ)を持っていません。

9)これに対して、「統合」や「凝集」には、
バラバラになった状態をすべて肯定し、
一段高い次元でまとめ上げる力が秘められています。

一方、融合的組織は、異質的なものを取り入れると、
機能不全に陥ります。

10)ユングは、グレートマザー的組織や家族の
心理状態を、 精神病的と考えました。

精神分析医のウィルフレッド・ビオンは、
精神病状態にある組織との取り組みについて、
詳しく探求しました (注:セミナーでご説明します)。

グレートマザー的ファミリーとの家族療法には、
精神病状態への理解が欠かせません。

このセミナーでは、精神病水準についても、
基本からわかりやすくご説明します。

11)サイコシンセシス(Psychosynthesis、精神統合)
の創始者、ロベルト・アサジオリは、病的な心の状態を、
「指揮者のいないオーケストラ」にたとえました。

オーケストラは、管楽器、弦楽器、打楽器など
多くの異質な楽器で合奏する音楽、あるいは楽団です。

もしここに、指揮者がいなかったなら、
オーケストラは、はどうなってしまうでしょう?

混乱し、崩壊し、破滅しかねません。

精神病状態に陥ってしまいます。

しかし、良質な指揮者がいたとしたら?

多様な種類の異 なる楽器は、どれもそれ独自の
意義や役割を持ったものとして
歓迎され受け入れらることでしょう。

12)さて、多くの家族の心理的な課題には、
発達課題が潜んでいます。

もし、家族が心理的発達を必要とせずに、
M.マーラーのいう「未分化」状態、
M.ボーエンの「融合」状態に留まるならば、
問題は生じません。

そうではなく、家族の中に、分化、多様性、
他者性、独自性、差異が生まれることから、
課題が生まれます。

私たちは、成長、発達しないことはできません。

家族や組織も同じです。

変化や成長は、自然の摂理です。
成長や発達が生じているにもかかわらず、
未分化・融合状態に留まるとき、 問題が起きます。

13)現代の老年心理学によると、
人は老年期においても、成長、発達し続けます。

組織心理学や家族療法によると、
組織や家族は、停滞し続けることはできません。

にもかかわらず、成長を拒否したとしたら
どうなるでしょうか?

成長を押しとどめ現在に留まること、
可愛くいとおしいい子どものままでいることを
強要するのが、「グレートマザー(太母、母なるもの)」
です。

14)成長、成熟に向けての処方箋を、
コフートやアサジオリは、
「統合(synthesis、シンセシス)」や「凝集」だと考えました。

アサジオリはまた、統合には、
「指揮者」が欠かせない点を強調しました。

加えて、指揮者は、「愛と意志」とを
兼ね備えていなければならないと言います。

愛のない意志は、冷酷で残忍で操作的。

意志のない愛は弱く、センチメンタル(感傷的)で、
持続性、実現力、責任がない。

15)このセミナーでは、多くのファミリーの問題の背景に潜む
グレートマザーに着目します。

グレートマザーは、イエ(家)、世間、ムラ(村)、
空気、本音と建て前、甘え、ヤンキーなどの
キーワードと一緒に考えることで、理解が深まります。

同質性の強いグレートマザーに支配された家族には、
早晩、 分化、多様性、他者性、独自性、差異が生まれます。

それは、「危機(=危険+好機)」の時です。

これを家族の成長、発達の好機ととらえるか、
あるいは同調性を破壊する危険なサインととるのか。

16)今回、家族療法が採用する従来のシステム論に、
深層心理学や トランスパーソナル心理学の
臨床実践、知見を加味して、
多くの家族が苦しむ問題の深奥に潜む
グレートマザーとの 多次元的取り組みを試みます。

「家族に潜むグレートマザー、その多次元的取り組み」に
ご関心にある専門家、一般の人、初心者のあなたの
セミナーへのご参加をお待ちしています。

良質な事例をご用意して、セミナーを進めていきます。

*当日セミナーにご参加できない方は、USBと資料の形で、
セミナー内容をご購入いただけます。

*お知り合いの方に、このセミナーをご紹介いただけると幸いです。

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日時:8月25日(日)10:00~17:00

開場: 9:50

会場 :都内の会議室 *先着順です。

講師: 富士見ユキオ
    開業カウンセラーとして、30年目。
    夫婦カウンセラー、ファミリーセラピスト、
    臨床心理士
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    ニューヨーク州立大学卒業(人類学部)、
    米国トランスパーソナル心理学研究所に、日本人として初めて留学する。
    MA(修士)。
    認定プロセスワーカー(日本にプロセスワークを紹介、導入する)、
   岸原千雅子
    ミンデル夫妻認定プロセスワーク セカンドトレーニング教師、
    臨床心理士、
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    英国IFA認定アロマセラピスト、
    お茶の水女子大学卒業(文教育学部)。
    修士、
    日本ホリスティック医学協会理事、
    日本トランスパーソナル学会理事。

参加費:20,000円+消費税(8%)

*USB+資料の形で、遠方の方にも、セミナー内容を販売しています。

お問い合わせ・お申込み先:
インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
(IPP)事務局
Mail:
Fax:03-5570-2860

*下記フォームからお申し込みいただけます。
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☆「家族の発達心理学~変容・再生する家族とは~」
7月5日(金)スタート
毎月第1金曜日19:00~20:50
全10回(2020年3月まで)

◎先月からスタートした、家族連続講座の新シリーズ。
家族メンバーの発達段階が 、複雑 に絡み合う家族という場。
家族システム全体の発達段階も踏まえて理解し、
家族の変容・再生を考える10回連続講座です。

☆「愛とスピリチュアリティ」
1月25日(金)スタート・開催中
毎月第4金曜日19:00~20:50
全10回(2019年 10月まで)

☆「ケース(事例/症例)を通して、多職種連携を内側から身に着けよう
~グループによるアクティブ・ライブ・スーパービジョン形式で学ぶ~」
7月17日(木)スタート・開催中
毎月第2木曜日19:00~20:50
全10回(2019年8月まで)

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