ファミリーセラピーと中高年の深層発達心理学

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「ファミリーセラピーと中高年の深層発達心理学」

2017年6月2日(金)19:00~20:50スタート
毎月第1金曜日、全10回開催(2017年6月~2018年3月)

1)アルコール依存、ギャンブル依存、家庭内暴力、不倫、離婚、親子間の葛藤……。
数ある心理療法の中で、ファミリーセラピー(家族療法)ほど、こうした家族の難題に、真摯に向き合い、良質な形で取り組んできたものはありません。これらの問題に、主流派心理学は、あまり積極的に関与してきませんでした。
この講座では、ファミリーの難題に、家族療法がどのようにコミットし、成果を上げてきたか、さらに家族療法に加え、深層心理学や発達心理学の観点を動員することで、実践的にどう家族やファミリービジネスを応援できるのか、理論と実際の事例から学びます。

2)本講座では、理論と具体的ケース(事例/症例)から、以下の点について学びます。
(A)家族療法、深層心理学や発達心理学から見たファミリーの深層構造の見方、読み方。
(B)アルコール依存、家庭内暴力、不倫、離婚、親子間の葛藤といった難題への、家族療法(ファミリーセラピー)の適応力と実際の取り組み。
(C)ファミリー企業や同族会社における事業承継、相続・争族などの課題に対して、上記の取り組みが、どのように関係の回復・改善に対して寄与できるか。
(D)深層心理学的に見た中高年期の課題、発達心理学的な家族メンバーの心理的課題を理解し、家族やファミリービジネスの課題にどう取り組むか。

 またそのことにより、以下の実践に役立てていただけます。
(1)家族やファミリービジネスにかかわる、アドバイザー、セラピスト、コンサルタント、ファシリテーターの実践、課題解決に役立つ。
(2)事業承継や次世代育成などにまつわるコーチングに役立つ。
(3)家族の困難な課題への取り組みや、ファミリービジネスの持続性・永続性を担保するための家族支援について、実践的な理解が深まる。

3)さて、家族に生じるさまざまな葛藤、軋轢、問題の解決には、家族全体をシステムとしてみる取り組み(家族療法のアプローチ)に加えて、家族それぞれの心理的な発達・成長プロセスを、丁寧に理解し、その課題をどのように達成するか、どう応援できるか、というアプローチが不可欠です。
 なぜなら、家族やファミリービジネスにおける変化・変容のときには、家族メンバー各々の心理発達課題が浮き彫りになり、多層的・複層的に絡まり合って、問題を複雑にしてしまうからです。
たとえば、子ども世代には、青年期の発達・成長課題が、親世代には、中年期の成長・成熟課題が、それぞれ差し迫っていて、両者に対する理解や応援がないと、成長や成熟が停滞し、その結果として、アルコールや暴力、夫婦間の問題が生じたり、事業承継や次世代育成がとん挫しかねません。

4)家族療法は、どちらかというと、大人や中高年期よりも、不登校をはじめとして、子どもや青年期までの問題を中心に取り上げてきました。また関係は扱いますが、深層心理学に比べて、心の深みを対象とすることは、少なかったと言えます。一方、深層心理学は、個人の心を応援することが中心にあり、家族全体に、直接働きかけることは、基本ありませんでした。

5)今回、私たちは、ファミリーセラピーと深層心理学を総合し、独自の視点から、中高年期のマインドについても取り組みます。また、ホリスティックな立場から、中高年期だけでなく、乳幼児期、思春期、青年期、壮年期のマインドについても、随時取り上げます。
 そのために、ファミリーセラピーに加えて、ダニエル・レビンソン、エリック・エリクソン、カール・ユング、マイケル・ウオッシュバーンといった、中高年期における最良の発達心理学や深層心理学の知見を参照していきます。

6)中年期は、さまざまな別れ、分離、喪失、無常を経験する時期です。
たとえば、若さや理想主義の喪失。家族や友人や同僚との別れや死。喪失を受け止め、受け入れるのは、最も困難な心理的作業の1つです。あなたは、中年期を、それまでのアイデンティティがシフトする好機ととらえることができるでしょうか? あるいは、若さを失う、単にマイナスの時期に過ぎないと考えるでしょうか? 

7)老年期には、大切な人に加えて、自分の死と(いよいよ)向き合う、という難問が控えています。自分の人生を、いかに終えていくのか。老いと老化の違いは何か。相続や事業承継を、いかに行うのか。

8)心理学者のエリック・エリクソンは、この時期における最大の課題を、「世代性・生殖性(generativity)」と考えました。世代性とは、自分の寿命と向き合い、意識した上で、「次世代を育成する、他の人や社会貢献する」といった心のあり様や姿勢をいいます。

9)青年期の心理的発達課題は、「同一性」、すなわち「自分が何ものであるか」の獲得であり、続く成年期(30代まで)は「親密性」、すなわち「大切な家族や人々との関係を培う」ことです。中年期の「世代性」、すなわち次世代の育成、というテーマとともに、これらの大事な心理的課題が達成され、満足が得られていないと、家族の中に軋轢が生じます。それが、アルコール依存やギャンブル・買い物依存などの問題行動や、親子・きょうだい間の密着や対立、暴力などにつながってくるのです。

10)中年期は、厚生労働省によると、40歳から64歳までを指しますが、中年になると、女性だけでなく、男性も身体的また心理的に更年期を迎えることが、理解されるようになりました。

 深層心理学は、中年期の課題として、男性と女性、それぞれの課題を提示しています。これらが理解できると、ファミリーやファミリービジネスで生じている夫婦や親子間の葛藤、ビジネスの永続性を脅かす争いや騒動について、解決に向けた多層的なアプローチができることでしょう。

*講座にご参加できない方も、USBと資料の形で、セミナー内容をご購入いただけます。
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日時:第1回 2017年6月2日(金)19:00~20:50
毎月第1金曜日、全10回(2017年6月~2018年3月)
開場:18:55
会場:東京都港区赤坂

講師:
富士見ユキオ/認定プロセスワーカー(日本にプロセスワークを紹介、導入する)、臨床心理士。ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、相続アドバイザー協議会認定会員、ニューヨーク州立大学卒業(人類学部)、米国トランスパーソナル心理学研究所に、日本人として初めて留学する。MA(修士)。
岸原千雅子/ミンデル夫妻認定プロセスワーク セカンド・トレーニング教師、臨床心理士、ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、相続アドバイザー協議会認定会員、英国IFA認定アロマセラピスト、お茶の水女子大学卒業(文教育学部)。修士。日本ホリスティック医学協会副会長、日本トランスパーソナル学会理事。

参加費:連続講座のご参加が初めての方 120,000円+消費税(8%)
             2回目の方 115,000円+消費税
             3回目の方 110,000円+消費税
             4回目の方 105,000円+消費税
             5回目の方 100,000円+消費税
お問い合わせ先:

インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)事務局
Mail:  Fax:03-5570-2860