神経症水準とプロセスワーク

3/29(日)10:00~17:00

「神経症水準とプロセスワーク」

「初心者」、「一般の方」も、大歓迎させていただきます。

小さな会場ですので、先着順とさせていただきます。
ご関心がある方は、お早めにご連絡ください。

1)「神経症(neurosis)」
~それは、ドイツ語では「ノイローゼ」を意味します~」は、
全ての心理療法の入り口であり、基本水準です。

現代の心理療法は、神経病医であったフロイトによる
「神経症水準」との関わりから始まりました。

フロイトが取り組んだ心のテーマは、
母と乳幼児の二者関係的なものではなく、
父と子どもの関係がメインの「エディプス期」に関するものでした
~エディプス(期)については、セミナーで学びます~。

2)フロイトの同時代人として、アドラーとユングが有名です。

ユングは、フロイトが「神経病医」であったのに対して、「精神科医」でした。

フロイトは神経症水準の理解に貢献した一方で、
ユングは、精神病水準の治療に、寄与しました。

ユングに言わせると、神経症水準の課題は、人生前半に属します。

ユングは、それには、自分自身の理論よりも、
「性」に原因を置いたフロイトの理論や、
「権力」から心の悩みを理解するアドラーの理論と技法の方が適切だと考えました。

一方、ユングの個性化/自己実現の過程は、人生後半のテーマです。

ユングはオープンで自由でしたから、
「人生の時期」や「病態水準」に配慮しながら、クライアントの治療を考え、
自分の理論よりも適切な理論がある場合には、
それをクライアントの人に紹介し、推薦しました。

ユングが取り扱ったのは、「神経症」水準より重い「精神病」水準です。
また、「神経症」が人生の前半課題だとすると、
ユングが主に取り組んだ「個性化の過程」は人生後半の心のテーマです。

ユングは、神経症水準の治療には、自分の理論ややり方よりも
フロイトやアドラーの考え方および技法の方が適切であると考えました。

このクラスでは、「フロイト」はもちろん、
最近、改めて着目されている「アドラー」も考慮しながら、
神経症水準について学びます。

3)「神経症水準」は、次の点で、「精神病水準」と比較すると、
分かりやすいです。

(A)神経症水準の訴えは、「一般の人」の視点からして、
「了解可能/わかるわかる」である一方、
精神病水準の訴えは、「了解不能/???」となることがほとんどです。

(B)神経症水準では、自分の訴えにアウェアネス(病識)があるのに対し、
精神病水準では、病識がありません。

たとえば、強迫神経症の人は、
「何度も何度も、ガスの元栓を閉め忘れていないか、
確認しないといられないのは、自分で、おかしいな、病的だな」と、
アウェアネス/病識をもちながら、強迫行為をくり返します。

「父親への敵意をセラピストに向ける/重ねるのは、変だな」と、
どこかで/結構わかりながらも、父親とセラピストを同一視(投影)するのが、
神経症水準です。

一方、精神病水準では、「自分は唯一の○○神の子どもである」、
と考えることを、「おかしいな」と思えるアウェアネス/病識を
持ちません/持てません。
持てないどころか、堅実感/確かさを持っていたりします。

4)「神経症水準」は、また、「パーソナリティ障害水準(PDL)」と比較すると、
その特徴がわかります。

PDLでは、心は、「白」か「黒」の2つに『スプリット』
(心が2つに分割され、お互いがお互いを排除する状態と)されています。

一方、神経症水準では、「白」と「黒」が、『総合』されています。
白と黒を、「総合」するには、白と黒の「両方」を『含んで超える』
『1次元上の組織化』が必要です
~それは、同次元における統合とは異なります。
1つ上の次元が不可欠です~。

それを、ジェームズ・マスターソンは、「自己組織化」、
メラニー・クラインは、「抑うつポジション」、
ケン・ウイルバーは、アーサー・ケストラーの言葉を借用して、
「ホロン」ないしは「ホロアーキー」と呼びました。

神経症水準の心は、より総合されて/よりまとまっていますから、
内的および外的事象を、より「全体的」、そしてより「現実的」に見ることができます。

5)しかし、それは、「心の健康さ」からすると、
「ほんの少し」ですが、「あと一歩」というところです。

6)(マスターソンの言う意味で)心が自己組織化すると、
心の丈夫さ/健康さを得れるのですが、
神経症の心の「全体的まとまり」には、『まだまだ危うい』ところがあります。

たとえば、強迫神経症では、
1つ下の次元である「境界性パーソナリティ障害水準(BPDL)」に
特徴的な、「急な飛び出し的衝動性や行動化」を、
抑える/防衛するために、強迫的になります/ならざるを得ません。

強迫「神経症」では、
強迫性に対して、アウェアネス/病識が持てるまでに、
意識/アウェアネス/病識を「高める」ことができているのですが、

その一方で、「心の中/内面には、まだBPDL的なものが残っていて」、
十分には<収まっていません>。

心の中では、BPDL的な「急な飛び出し的衝動性」を
『生のまま~変容されないまま~』
(その勢い/力は弱まっていますが)依然として持っています。

7)「神経症水準」は、『心の健康/健全な状態』と、『BPDL』の
≪中間≫にあると言えるかと思います。

8)コフートたちは、「神経症水準」に対しても、
それより重篤な/低い病態水準
~たとえば自己愛性パーソナリティ障害水準~に対するのと同じように、
「自己」のまとまり/凝集性/融和性を
カバリング(covering、蓋をすること)的に応援することを勧めます。

9)それに対して、
他の流派は、~フロイト以来~
抑圧の解除や筋肉の鎧の解放や、ブレークスルーやエッジを超えることなど、
つまり、アン・カバリング(蓋をはずすこと)を勧めます。

このセミナーでは、神経症水準に対する基本的なやり方である
アン・カバリングと共に、
カバリングの可能性、またコンテイニングの重要性について考えます。

10)今回、「現代心理療法」の入り口であり、基礎となった
神経病水準について、多角/多面的に学びことで、
心理療法、コーチング、ファシリテーションの
実務・実践力を身に着けることを目的とします。

「初心者」、「一般の方」も、大歓迎させていただきます。

このセミナーについて、お知り合いの方に、
ホームページ、ブログ、ファエイスブック、ツイッター、口コミなどを通じて、
お伝えいただきましたら幸いです。

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日時: 3/29(日)10:00~17:00

開場:9:50

会場:都内中央区

小さな会場ですので、先着順とさせていただきます。
ご関心がある方は、お早めにご連絡ください。

講師:富士見ユキオ
    認定プロセスワーカー、
    トランスパーソナル&ホリスティック上級心理カウンセラー、
    臨床心理士
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員

    岸原千雅子
    ミンデル夫妻認 定プ ロセスワー クのセカンド・トレーニング教師、
    トランスパーソナル&ホリスティック上級 心理カウンセラー、
    臨床心理士、
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    英国IFA認定アロマセラピスト

参加費:20,000円+消費税(8%)

     *先着順です

お問い合わせ先:プロセスワーク研究会
FAX:03-5570-2860
I-mail:
URL:http://www.fujimi.in/