病態水準(=健康次元)~対人援助職実践の基本を学ぶ~

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8/17(日)ワンデイ・セミナー
  
第1弾「病態水準(=健康次元)~対人援助職実践の基本を学ぶ~」

先着順です。

1)「病態水準(=健康次元)」は、対人援助職を実際に行う上での
基本中の基本です。

「病態水準」を学んでいないばかりに、
それまで学んだ技法/療法/流派が活きない、
それらの良さを実践で発揮できない、ということがままあります。

「病態水準」を理解しているかどうか、が、
アマチュアと、専門家(プロ)を分ける一つの大きな指標です。

今回のマンスリー/ワンデイ・セミナーは、
「病態水準」を学び、身に着けることで、
みなさまがそれまで学習した各流派のやり方を、
実際の現場で役立つように、応援するためのものでもあります。

これから対人援助職を目指す人にも大変有益な内容です。

2)「病態水準(=健康次元)」は、
「心理病理学(psychopathology)」/「異常心理学(abnormal psychology)」から
生まれた知見ですが、
今から約30年弱前に、私が留学したトランスパーソナル心理学研究所でも、
対人援助職の実務・実践に是非とも必要なものと、強く勧められました。
大学、大学院と、繰り返し、この分野に学んでで以来、
それは、私たちの臨床実践の核の一つにあります。

3)今回は、今までの「病態水準セミナー」に加えて、以下についても話します。
(A)一つは、ポスト・クライニアンの『発達障害』に対する見方です。

ポスト・クライニアンは、「自閉症圏」を、
「精神病圏」よりも、『早期の/重篤な心身的テーマ』と仮定しています。

(B)次に、やはり、ポス ト・クライニアンの、ウルフレッド・ビオンを中心とした、
「精神病圏」の捉え方について、学びます。

(C)また、「パーソナリティ障害圏」を、
「神経症圏」と、「精神病圏」という、『正反対』の病態水準と比較しながら、
深く学びます。

4)「病態水準(=健康次元)」は、『自我(ego)<機能>の健康さ』を中心としたものの見方です。

伝統的プロセスワークは、「自我」という概念を積極的に採用しませんし、
「自我」を前提とした「病態水準」の見方を活用しません。

が、それでは、さまざまなクライアントの人のお役には十分に立てない/なれない、と
私たちは考えています。

プロセスワークに限らず、人間性心理学や深層心理学の多くの流派が、
「病態水準」という視座を、用いていません。

しかし、私たちは、対人援助職の実務/実践に置いて、「病態水準」の切り口は、
不可避であり、マストであると理解しています。

「病態水準」を身に着けずして、
各現場で、いかに(how)対人援助を、プロとして行うのか/実践するのか、疑問です。

それ程、病態水準の見方は、大切です。

5)トランスパーソナル心理学研究所で、
「心理病理学」/「異常心理学」と共に推奨されたのが、
「発達心理学(developmental psychology)」です。

それもまた、人間性心理学や、深層心理学からは不評です。

その一方で、その3つの心理学と「病態水準」を、とても尊重しているのが、
トランスパーソナ理心理学の元旗手で、統合(的心理)学の提唱者、
ケン・ウイルバーです。

私たちの、「病態水準」の見方は、ケン・ウイルバーに近いところがたくさんありますし、
参考にさせていただいています。

(注:残念なことに、ウイルバーの、発達心理学的見方に基づいた精神病理学
ないしは「病態水準論」についての論文が、翻訳されていません。
英語では読めますので、ご関心がある人は、彼の編著に当たって下さい)

6)フロイトの古典的精神分析は、『神経症水準』との関わりから生まれました。

ユングの古典的分析心理学は、『精神病水準』を、基本としています。

二人は、「病態水準の『異なる』患者」を診ていましたので、
後に、二人の、心理療法への見解や患者イメージが違って、
結果、この二大巨匠が仲違いしたのも今日であれば、理解できます。

当時は、フロイトもユングも、『同じ』病態水準の患者を診ている、と
勘違い/誤解していました。

そのためもあって、二人は、袂(たもと)を分かってしまいました。

病態水準の違いによって、患者イメージが違って来る、という点が、
最後まで二人には、はっきりとは、わかっていませんでした。

7)しかし、残念なことに、同じことが、今日の対人援助職の間でも、繰り返されています。

「病態水準」を考慮に入れない、対人援助が、現代でも数多く行われているのです。

8)対人援助職の各流派は、「必ず」、「何らかの病態水準」を、『出自』としています。

例えば、古典的精神分析は、「神経症水準」、
古典的分析心理学は、「精神病圏」、
対象関係論は、「パーソナ理障害圏」および「精神病圏」、
「ユング心理学の元型学派」は、「うつ圏」、
「自己心理学」は「自己愛性パーソナリティ障害圏」などです。

*みなさま、ご自分が学んだ流派、
ご自分が愛する/関心のある流派は、
『どの病態水準』との取り組みから、生まれたのでしょうか?

*是非、調べてみて下さい。
ほとんどは、「神経症水水準」かと思います。

9)それぞれの流派が生まれた、つまり「治療のために関わってきた病態水準」が、
その流派の『最大の強み/得意領域』です。

逆に言うと、その流派が関わって来て「いない」病態水準と、
その流派がプロフェッショナルな関与をすることは、基本的に絶対に無理です。

もちろん、例外はありますが、それはあくまで例外です。

10)たとえば、フロイトは、 とても正直で誠実でしたので、
(古典的)精神分析は、「精神病圏」には約立た「ない」、それどころか「有害」である、
と、早い段階から、認める発言を/もしています。

(注:それでは、なぜ「精神病圏」を相手にしていたユングとぶつかったままだったのか、
という疑問が残りますが、ここでは、書きません)

後に、フロイトは、
TA(交流分析)の創始者として有名なエリック・バーンの教育分析家でもあった、
ポールフェダーンに、「精神病圏」の患者の治療を、任せています。

フロイトは、自分のできること、できないことを認め受け入れることのできた成熟した大人でした。

11)そ れに対して、あたかも、自分の流派は、ありとあらゆる病態水準とやれる/治せる、と、
豪語する、自己愛障害的つわもの流派があります。

このセミナーは、そうしたナルシシズム的見解に陥らずに、
たとえ自分が長年学んできた、自分が大好きな、大事な流派であったとしても、
それは、病態水準の中の、ある位置を占めるに過ぎない、という
謙虚で、等身大で、当たり前の、捉え方を身に着ける機会です。

12)ポール・フェダーンは、フロイトの古典的精神分析を『真逆』にした実践を試みました。

(A)フロイトが、「抑圧」を『解除/アン・カバー(un-cover)/ブレーク・スルーせよ』、

と言 ったのに対して、

フェダーンは、『抑圧<できる>ようになるの(カバーリング、covering)を応援する』と
述べたのです。

(B)フロイトが、「内面」を強調したのに対して、

フェダーンは、「外面/外的生活」をサポートしました。

(A)フロイトの心理学は、「一人心理学」である一方、

フェダーンの心理学は、「チーム心理学」でした。

結果はどうなったでしょうか?

フェダーンの治療は、『精神病圏』の患者には、とても効き目がありました。

13)フロイトの古典的心理療法も、最近流行りのアドラーの心理療法と同じく、有効です。

『神経症水準』に対し ては。

が、フロイトのやり方は、「精神病圏」には、有益で「なく」、「有害」にさえなります。

14)というように、「病態水準(=健康次元)」の見方/切り口は、

援助をする上で、とても役立つだけでなく、責任あるサポートを実践するためのマスト(must)です。

そうした、対人援助職にとって不可欠な「病態水準の基本/入門」を、1日かけて、
一からみなさまにお話しさせていただきます。

15)「発達障害水準」、「精神病水準」、「パーソナリティ障害水準」、「神経症水準」について、
それらの基本を学びます。

カウンセラー、セラピスト、コーチ、ファシリテ ーター、プロセスワーカー、
アドバイザー、コンサルタント、ケースワーカー、教師、コンサルタントのみなさまに、
有益な内容です。

*このセミナーでは、プロの対人援助職の方、プロの対人援助職 を目指す方、
今回のテーマにご関心のある初心者の方、一般の方の
ご参加を歓迎いたします。

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日時:8月17日(日)10:00 ~17:00

開場:9:50

会場:都内赤坂、富士見心理面接室:先着順です!
    (会場が小さいため、定員いっぱいになる可能性があります。  
    ご関心がある方は、お早めにお申し込みください。)

講師:富士見ユキオ
    認定プロセスワーカー、
    トランスパーソナル&ホリスティック上級心理カウンセラー、
    臨床心理士、
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト2級、
    相続アドバイザー協議会認定会員

   岸原千雅子
    ミンデル夫妻認定プロセスワークのセカンド・トレーニング教師、
    トランスパーソナル&ホリスティック上級 心理カウンセラー、
    臨床心理士、
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト2級、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    英国IFA認定アロマセラピスト

参加費:1日20,000円+消費税(8%)
     *先着順です。

お問い合わせ先:プロセスワーク研究会
FAX:03-5570-2860
E-mail:
URL:http://www.fujimi.in/