家族づくりと家族療法~現実の家族と内なる家族づくり:家族の再建、発展、持続可能性~
*関係セミナー情報です。問い合わせ申し込みは主催者まで
第1弾、3/17(月)開始! 新連続講座
都内赤坂の富士見心理面接室で行います。
会場が小さいために、先着順とさせていただきます。
「家族づくりと家族療法
~現実の家族と内なる家族づくり:家族の再建、発展、持続可能性~」
毎月第2月曜日、19:00~20:50、全10回
1) プロセスワーク研究会では、
精神病圏やパーソナリティ機能障害圏の人の家族、
摂食障害や依存症&共依存の人の家族、
子どもがIPの家族など、
危機状態に瀕していたり、機能不全に陥っていたり、
何らかの破綻をきたしていたりする家族への癒しの手段として、
いろいろな家族療法をご紹介してきました。
2)私たちの家族療法や夫婦療法への関心はますます増し、
今後より一層の力を注いでいきたいと考えています。
たとえ家族療法を実践していなっかたとしても、
困難な状態にある個人をサポートする上で、
家族療法の見方は、限りなく有益です。
ですので、みなさまに家族療法をお勧めします。
しかし、今回ご紹介させていただく講座は、
家族「療法」とは少し趣の違う、
医療をメタファーとして言うならば、
家族の「治療」にではなく、「予防」に、
「病理」にではなく、「健康面」や「健全さ」に、
あるいはコミュニティ心理療法的には、
家族の「強さ」、「可能性」、「リソース」に着目するものです。
そうしたことを通じて、「家族づくり」を試み、
家族の維持、発展、持続/永続可能性、家族の歴史/伝統について考え、
取り組んでいきます。
3)この領域は、個人療法にはもちろん、家族療法によっても、
ほとんど着目されて来ていませんでした。
が、今回、新たに、家族づくりや、
家族の維持発展、可能性、持続可能性について取り組んできた
複数の分野~これらの各分野については、講座内でお伝えします~
に着目し、ご紹介し、学び、取り組みます。
とても豊かで、考えさせられ、学ぶところの多い、また得るところの多い
実務と実践を中心とした新分野です。
今回、そうした領域をご紹介させていただけること、
ご一緒に学べることを、心から楽しみにしています。
今まで、多数のご家族との実践の中で、
十分な成果を上げてきている内容ですので、
具体的な取り組みに関心のあるみなさまのご参加をお待ちしています。
4)以下に、今回取り組むことのいくつかを、箇条書きにします
(順不同)。
(A)家族づくりは、古代ギリシャの「コスモス(cosmos)」づくりに相通じますが、
それには「ノモス(nomos)」を、どう導入するか、に焦点を
当てることが必要です。
(注、コスモスは、秩序と調和のとれたシステム(宇宙)を指します。
一方、ノモスは、ギリシャ語で、神々または父祖伝来の伝統によって
必然的に定められた行動規範などを意味します)
それには、枠組み/体系/システム/構造、
つまり、階層性/高さと深みや、切断/境界のない
「カオス(chaos、混沌)」に、
いかに「コスモス」を作るか、といった作業が求められます。
ここでの家族づくりは、
ユング心理学的には
(自我による狭小なコスモスや、
超自我による過剰に厳しく強迫的なものではなく)、
Self(「自己」)によるコスモスを、意図することになります。
それが、持続可能な、固有の伝統を生む家族づくりに相通じます。
心理学、”psychology”は、”psyche(魂)の+logos(秩序)”ですが、
Selfは、(自我による狭小なものではない)「心全体のコスモス」を
生み出す源泉であり、それをこの講座は、意図します。
(B)そのためには、Selfから発動するリーダーシップ、
“leadership”、”ship(船)を+lead(リード/先導する)こと”、
船をリードする人(リーダー)が必要です。
それは、サイコシンセシスの、
「トランスパーソナル・ウイル(transpersonal will)」の考え方に、呼応します。
ビジネス用語でいうと、家族作りには、
プロジェクト・リーダー(leader)ロール(役割)が欠かせません。
持続可能な家族づくりには、
(ビジネスなどと同様)それを意識的にやり遂げるという意志、
家族づくりを「プロジェクト」として意図する強い気持ちが
欠かせません。
成り行きまかせ、場当たり的な対応では、
持続可能な良質な家族づくりは困難です。
今の時代、家族づくりをなめてはいけません。
それには、心的エネルギーの相当の投入&コミットメントが、求められます。
(C)家族のコスモスづくりの中心は、「イデア(理念)」づくりです。
(a)ところで、コスモスは、「この世」のためのもの/
「この世」に築かれるものである一方で、
イデアは、「あの世」にあるものです。
(b)イデア、”idea”は、プラトン=ソクラテスで有名ですが、
それと、ハインツ・コフートのideal(理想)の極と、父性との
関連で、このテーマに取り組みます。
(c)プラトン=ソクラテスのイデアは、「家族のスピリチュアリティ」に
深く関係しています。
トランスパーソナ心理療法的には、最も重要な側面です。
*家族のイデアづくりを、実際に具体的に行います。
(D)次に、(a)家族のイデアに基づいた毎年の家族目標について
考えます。
これには、禅仏教や、エイミー・ミンデルの「メタスキル」で有名な、
「月と水に映った月」のメタファーが有益です。
「月」はイデアで、
「水に映った月」の、例えの一つが、
CR(日常次元)での「持続/永続可能性」です。。
*この講座では、実際に、家族目標づくり、プランニングを試みます。
(b)家族目標達成のためには、家族間のコミュニケーション・トレーニングが
欠かせません。
何も言わなくてもわかってもらえる、という「甘え」によって、
離婚や家族崩壊の危機に至っている家族がたくさんあります。
夫婦は、元をたどれば他人同士です。他人同士で理解し合うには、
粘り強いコミュニケーション・トレーニングが不可欠です。
しかし、その重要さを真(ま)に受けない、
甘えている/なめている/手抜きしている、
面倒がっている/先延ばしにしている家族は後を絶ちません。
コミュニケーション・スキルの向上は、どんなに言っても言い切れません。
みなさま、コミュニケーションのやり方は、
一生かかっても完了しきらない/しきれない奥深いトレーニングだと思って、
トライ・アンド・エラー・アンド・トライ・・・の精神で、粘り強く行っていってください。
良質な家族を作る上で、絶対に役立ちます。
(困った場合は、早めにご相談にいらしてください)
(E)ここで、少し話し戻すと、家族のイデアとの関連で、
家訓、家是、家族の憲法、
家族の考えと行動のための指針/規範/基準、
家族のルール、家族の規律、家族の約束についても
考えます。
*こうしたものも、手作りでつくっていきます。
(F)話しがやや堅苦しくなってきましたが、
そうしたものを統治するのが、
ファミリー・ガバナンス(family governance)です。
(a)ファミリーガバナンスとは何でしょうか。
(b)それには、ファミリーにおけるリーダーシップが
絶対必要ですが、それについて父性との関連で、考えてゆきましょう。
(G)次に、良質な家族づくりに欠かせない、
ファミリー・ミッション・ステイトメント
(Family Mission Statement)についても、ご紹介します。
FMSとは何でしょうか。
*FMSを、実際に作って行きます。
(H)そうしたことについて、対話する/議論する
家族会議/家族集会(family meeting)について、ご紹介します。
ファミリー・ミーティングは、「この世」的な、家族の「(外的)コンテイナー」です。
そこで、ユングがとても大事にした、弁証法(産婆)的対話、対決、議論を
行うようにします。
そのための手続きと進め方を、
ワールドワークやプロセスワークのオープンフォーラムを
参考にしながら、お伝えします。
(I)今、「この世」的なコンテイナーについて述べましたが、
家族の「あの世」的な「(内的)コンテイナー」は、
「家族のドリーミング(family dreaming)」です。
コンテイナーは、「母性」ですが、それには、この世的なものと、あの世的なもの、
外的なものと、内的なものがあります。
(J)家族のドリーミングは、
(a)家族で数世代にわたって繰り返される深層のパターンの源泉=
家族の共時的コンステレーションに通じていて、
(b)また、家族の集合的神話作り=
数世代にわたる家族の歴史に基づいた物語作りの核心になります。
そうしたナラティブ(物語)は、家族の持続的紐帯に寄与します。
(K)家族の祝祭、非日常的&変性意識体験を伴う家族イベント
(プロセスワークの言う、家族の二次プロセスを体験できるイベント)企画は、
不可欠です。
さもなければ、息が詰まってしまい、家族が疲弊枯渇し、持続不可能に
なってしまいかねません。
(L)持続可能な家族には、
(a)家族のスポンサーシップ(sponsorship、後見)や
エルダーシップ(eldership、長老性/老賢性)といったロールが、
必ず存在します。
(b)また、家族における死者たち、霊魂たち、ご先祖様、
(c)さらには、家族にまつわる土地/大地といったアニミズムや風水にも、
注意を払うようにします。
(5)以上は、今回の講座で学ぶ一部ですが、
その内の一つでも、二つでも
長い年月をかけて行い、積み重ねていくことを意志すること、
そうしたことを「プロジェクト遂行」のように、意識的に行うことが、
豊かで、上質で、ハッピーな持続可能な家族づくりに通じます。
この講座を通じて、家族コンサルティング力や家族コーチング力、
家族内ファシリテーション力なども、身に付くようにしたいと考えています。
心理やケースワークなど、普段から家族を対象としている専門家の方はもちろん、
家族作りにご関心のある一般の方、初心者の方も大歓迎させていただきます。
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1)(A)家族療法を行っていて、繰り返し/つくづく思うのは、
今の時代に合った「家族の<インフラ/ベース>」ができていない、
いやそれ以前に、どうしたら現代に合った「家族の基本」を
つくっていったらいいかわからない、そのための情報がない、
それで困っているご家族が多い、ということです。
(B)戦後、右肩上がりの経済成長の中で、「画一的な幸せな家族」が
なんとなくイメージされ/共有されてきました。
しかし、バブル崩壊後失われた20年と言われる中で
(哲学的には「大きな物語」の破壊が促進させるポストモダンの中で)、
「戦後なんとなく目指されてきた幸福家族イメージ」が失われてきています。
(C)「経済成長期の幸福な家族イメージ」という
<大きな物語=既製品的/画一的核家族>に代わる
『<小さな物語>的/ローカル(local)でユニークな家族』づくりが
必要とされている/求められているのを、日々の家族療法の中で、
痛切に感じています。
(D)<大きな物語的家族>の「反対」は、「個人(主義)」で、
個人主義は、私たちを「家制度」や「グレートマザー的家族」から解放し、
私たちを自由にし、幸せにしてくれる、と
(お子ちゃま的に、多くの人が)思い込んで/(無邪気に)信じてきました。
個人主義は、相当程度実現されました。
そこには良質な面/肯定的面がたくさんあります。
しかし、心理療法的には、
そうしたことによって、行き場を失い、さ迷って苦しんでいる人と、
日々の心理カウンセリングの中で、たくさんお会いしています。
(E)そうした個人が今日求めているのは、
「近代的な幸せイメージを喚起する核家族」でもなければ、
「近代的個人主義」でもありません。
そうではなく、「ローカル(local)でユニークな手づくり家族」です。
そうした形の家族以外には、充足できなくなっている人が相当増えてきています。
しかし、こうした点に気づいている人も家族もまだまだ少ないと
思われます。
(F)手づくりで家族/家を作ろうとすれば、設計図から/一から自分たちで
書かなければなりません。
それには手間暇(てまひま)がかかりますし、
何よりも「企画力」が求められます。
手づくりの家族づくりは
『プロジェクト』として「意図」し「選択」するもので、
そのプロセスは、生涯ずっと継続されるものです。
(G)「オリジナリティのある家族」は、
いわゆる「金持ちの家族/富裕層/セレブ」とは、
まったく関係がありません。
それは、新たな画一的家族イメージに沿ったものです。
それでは、他人や他の家族と比較競争した
<大きな物語的家族>を再び/新たに作ることになり、
たとえ「金持ち家族」になったとしても、虚しさを感じ、ため息をつくことに
終わってしまいかねません。
「家族」は、それが既製品である限り、たとえ「高級品」であっても、
表面的には躁的満足を得れても、
精神的充足や豊かさを感じるのは困難で、ガッカリすることになると思います。
(注、金持ちや富裕層になっただけで幸せになれるほど、
人間は一面的でも、単純でも、簡単でもありません。
ユングやミニューチンやビオンやミンデルが言うように、
複雑で矛盾に満ちた多次元的で多様な存在です)
(2)この講座は、現代というコンテキスト(時代性)に合った
ユニークな手づくり家族を作るための
「インフラ/ベース」を、具体的にご紹介/ご提案するクラスです。
(今回はここまでとさせていただきます)
心理やケースワークなど、普段から家族を対象としている専門家の方はもちろん、
家族づくりにご関心のある一般の方、初心者の方も大歓迎させていただきます。
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日時:3/17(月)~、毎月第3月曜日
19:00~20:50、 全10回
参加費:初めてご参加の方 126,000円
2回目ご参加の方 115,000円
3回目以降の方 100,500円
5回目以降の方 98,500円
*先着順です。
講師:富士見ユキオ、岸原千雅子
富士見ユキオ(認定プロセスワーカー、
ホリスティック&トランスパーソナル心理セラピスト、
開業心理療法家/開業心理実務家、
夫婦療法&家族療法家
臨床心理士、
FBAAファミリービジネスアドバイザー資格認定証保持者、
相続アドバイザー協議会認定会員<予定>)、
岸原千雅子(アーノルドー・ミンデル&エイミー・ミンデル認定の
セカンド・トレーニング教師、
ホリスティック&トランスパーソナル心理セラピスト、
臨床心理士、
IFA認定アロマセラピスト、
FBAAファミリービジネスアドバイザー資格認定証保持者、
相続アドバイザー協議会認定会員<予定>)
会場:都内赤坂富士見心理面接室
お問い合わせ先:プロセスワーク研究会
FAX:03-5570-2860
E-mail:
URL:www.fujimi.in