プロセスワークの交渉術、説得術
新連続講座
「プロセスワークの交渉術、説得術」
7月10日(水)19:00~20:50開始
(毎月第2水曜日、全10回)
1)今回の連続講座は、「実利」を手に入れるための、
プロセスワークの「交渉術(negotiation)」、「説得術」です。
プロセスワークは、ホリスティックで、学際/業際的ワークです。
それは、心理療法、医療、コーチング、ファシリテーション、
コンサルティング、教育などの分野で役立てられてきました。
今回は、日本では「プロフェッショナルな専門分野」
としては確立していないものの、
日々の様々な場面や分野でとても必要であるにもかかわらず、
意識化もトレーニングもされず無意識的に使われている、
しかし、意識的に活用できると、
生活に実利と豊かさをもたらしてくれる
「交渉術」、「説得術」をプロセスワークの観点からトレーニングします。
2)プリンストン大学ビジネススクール教授で、
『ウォートン流人生のすべてにおいてもっとトクをする新しい交渉術』の
著者、スチュアート・ダイアモンドは、
交渉術の目的は、「ゲット・モア(get more、より多くを手に入れる)」こと
だと述べています。
「ゲット・モア」は、
「ゲット・エブリシング(get everything、すべてを手に入れる/独り占めにする)」
という、小児暴君的/独善的なことを諦めることから始まります。
ですので、「0か100かで、何が何でもすべて(100)を独り占めにしたい」、
という人には、この講座の交渉術は不向きです。
3)それは、「敵意のある相手とも意思を通じ合わせ、
相手の認識を何であれ『尊重』することで、
『より多くのものを手に入れること(ゲット・モア)』を目指します。
相手を「尊重」し、「協力の可能性を探ること」が、より大きな価値をもたらします。
相手を「信頼」」し、その見返りに確約を守るように要求します。
それは、単なるお人よしにならず、きちんと目標を達成することに通じます。
ダイアモンドは、それによって、今よりも豊かな人生を送ることができるようになる、
と言います。
4)そのためには、(A)交渉のツールやスキルを学ぶことです。
(B)しかし、それだけに限らず、
「ツールを自分の人格の一部にして、骨の髄まで『交渉人』になることだ。
ツールを自分のものとしてしまえば、どんな人とのどんなやりとりも、
うまくこなせるようになる」、とダイアモンドは続けます。
それは、プロセスワーク的には、「メタ・スキル」や「ソフト・スキル」を意味し、
それを自分のものとする重要性を強調しています。
5)しかし、そんなことが可能でしょうか?
交渉術は、ビジネス場面でだけでなく、
友人知人との関係、パートナーとの関係、
親子関係、家族関係、親戚関係、趣味やスポーツや学校場面、
その他特に利害が絡む関係や場面で応用可能で、有益です。
現在、京都大学医学部の学生に最も人気のある教員と言われている
瀧本哲史氏は、交渉術は、これから生きていく上での「武器」であると考え、
『武器としての交渉術』という本を書いています。
この講座では、「交渉術」、「説得術」という「武器」を身に着けます。
しかし、ここで学ぶ交渉術(武器)は、独りよがりのものではなく、
関係性への眼差し、ウィン-ウィン、協力、共同、連携、縁をベースにしたものです。
その点を強調しておきます。
そして、みなさまが学んでこられた、あるいは関心を持たれている
プロセスワークの関係性チャンネルやシグナルやフィードバックへの見方が
大いに活かされる分野です。
6)そう、プロセスワークやワールドワークを、
臨床などの専門分野にでなく、
日々の暮らしで実際に、今から有効活用できるのが交渉術です。
それは、就職、仲間やチーム作り、結婚、賃上げなど、いろいろな場面で
役立ちます。
学んでいただければ、交渉術の楽しさが理解していただけると思います。
第2弾
1)プロセスワークに、「コミュニケーション理論」の影響が
強く入ってきていることは、あまり知られていません。
今回のセミナーは、「コミュニケーション分野」とも密接な関係があります。
心理療法で、コミュニケーション理論的なものとしても有名なのが、
「アサーション」と「NLP」などですが、
今回は、さらに広い観点から、
「コミュニケーション」と「交渉」、「説得」について学びます。
2)この分野では、コミュニケーション論との関連で、
プロセスワークの初期に発展した、
「シグナル」や「フィードバック」といった
「ハード・スキル」、「第一のトレーニング」が、とても役に立ちます。
ここのところ、プロセスワークの「ハード・スキル」の応用分野が
限定されていましたが、
「交渉」、「説得」、「コミュニケーション」では、
それに改めて注意が向けられることになります。
3)一見、あざとい響きを持つ「交渉(術)」など、
心理療法の分野とは、何の関係もないように思われるかも知れません。
「交渉」は、「誠実さ」をモットーとするカウンセリングとは、相容れず、
カウンセリングとは、正反対のことに感じる方もいらっしゃるかと思います。
4)しかし、アーノルド・ミンデルが、彼の3冊の著作で繰り返し用いた
グリム童話の「ビンに入ったスピリット」の『要(かなめ)』は、
主人公の若者が、「集合的無意識」の現れである
~ユングが無意識の神、ミンデルが身体の神と呼んだ~
「メリクリウス(水銀/水星)」との
「機知」と「ペテン/だまし」と「トリック」に富んだ「交渉術」でした!!!
「交渉」に成功した若者は、後に、「メリクリウス」から、
「富」と「癒し」の元となる、「魔法の布」を得ることができました。
5)そうしたところから、私たちは、心理療法の世界では、
意識化も重要視もされていない、
いや、むしろ蔑視されたり嫌悪さえされてきた「交渉」の重要性について、
過去20年強にわたって、ずっと考え、取り組んできています。
「交渉」は、心理療法の世界では例外的ですが、
それでもその名人に、現代催眠の大家のミルトン・エリクソンや、
家族療法のサルバドール・ミニューチンらがいます。
この講座では、ミンデル、エリクソン、ミニューチンらを参考に、
今の現実に沿った有益な「交渉術」や「説得術」についても学びます。
第3弾
1)今回、「交渉術」の連続講座を行う理由の一つは、
相変わらずデフレが続き、よりいっそうせちがらくなってきた世の中で、
生きる術(すべ)、瀧本氏が言う「武器」として、
「交渉術」を学んでいただきたいからです。
2)たとえば、私たちのところに、
高学歴、難関資格取得後のワーキング・プアの人が
今まで、相当数いらしていました。
いわゆる一流大学や大学院を出て、弁護士試験、あるいは公認会計士試験に
合格したのだけれども、専門関係では就職できず、アルバイトで食いつないでいる、
という方々。
理由の一つは、かつては、社会にゆとりがあり、
一流大学や難関資格を持っていれば、即、望むところに就職できる、
という時代が続いていましたが、
今は、社会にも、各企業にも、ゆとりがなく、
大学や資格、学校のお勉強ができる頭の良さだけでは、
望むところへの就職がおぼつかなくなってきたからだと思います。
また、良い時代には、就職活動において、
「誠実さ」や「まじめさ」がものを言っていましたが、
今は、それだけではダメなこと/足りないことも多く、
「セルフ・アピール」、「セルフ・マーケティング」などを、
『どう上手に/巧妙に行うか(からめるか)』、
といったことが問われるようになっています。
それは、高度な「コミュニケーション術」であり、
「人に上手に取り入る術」であり、『交渉術』です。
3)そうした「交渉術」は、就職にだけでなく、
話しは飛躍しますが、「恋愛」などにも必要です。
あなたが飛びぬけていて/秀でていて、自分を特別な存在だ、と思えるならば、
「誠実」なだけでも、「沈黙したまま」であっても、
あなたを雇ってくれる良い企業はある、
あなたを見ていてくれる/みつけてくれる理想的なパートナーはいる
(王子様は白馬に乗ってやってきてくれる)、
と信じれるかも知れません
(ある種の自己愛障害的思い込みですね)。
しかし、現在の日本では、そうしたことは「宝くじ」か「ばくち」に近いのではないでしょうか
(人生を、「ばくち」にさらすのは危険です)。
4)さて、臨床心理士は、日本で最大の高学歴ワーキング・プア―
(大学院資格ですが、若い臨床心理士の平均年収は200~300万円)集団です。
臨床心理士の人たちにもよく言うのですが、資格だけでは、
それがたとえ難関資格であっても、今の日本では食べていくのは簡単でなく、
ましてや望むところに就職するのは困難です。
5)これは一例ですが、資格、と、就職の「間」を『つなぐ』一助となるのが、
「交渉術」です。
それには、「客観的なハードスキル」と、あなたの「主観を交えたソフト・スキル」と
両方が必要です。
私たちは、「交渉」は、生きていく「術」、「武器」として、
とても大切なものであるにもかかわらず、
学校でも、家庭でも、どこでも教えられず(学ぶ機会がなく)、
その人個人の資質や、人生経験のなかで学ぶこと、
などに還元されて/理由づけされてしまっていることが、残念です。
6)なぜならば、「交渉力/術」は、
しっかりと学ぶこと、トレーニングすることで、
身につけることが可能だからです。
それは、心理療法やコーチングと隣接していますが、
それらとも微妙に異なる分野です。
7)「ロマン」と「ソロバン」を
『つなぐ』のが「交渉術」だと瀧本氏は言います。
この講座では、「ロマン」を見据えた「ソロバン術」、
つまり「交渉術」について取り組みます。
この連続講座は、特定分野の専門家の方を対象としたものではなく、
「交渉」や「説得」や「クレーム対応」や「人とのやり取り」や「ボケとツッコミ」など
に関心のある、みなさまを対象とさせていただいたものです。
みなさまのご参加をお待ちしています。
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日時:毎月第2水曜日 19:00~20:50
第1回は、7月10日(水)
講師:富士見ユキオ
会場:港区赤坂
参加費:99,500円(初めての方)
94,500円(2回目の方)
89,500円(3回目以降の方)
84,500円(5回目以降の方)
*たくさんの方のご参加が予想されます。
また、連続講座(クローズドグループ)ですので、人数制限があります。
参加を希望される方は、お早めにご連絡ください。
先着順です。
お問い合わせ先:プロセスワーク研究会
FAX:03-5570-2860
E-mail:
URL:www.fujimi.in