【プログラム紹介】森になる

2日目13時30分からの講演「森になる」。
すごく簡単に言うと、森林葬の活動になりますが、そこには深い哲学があります。自分が木となり森になり、継承されていく命のつながり。詳細は河野秀海さんの言葉に譲るとして、今回講演いただくお二人(河野秀海さん、橋爪謙一郎さん)は、7月に開催されたヨーロッパ・ポジティブ心理学会議2014(ecpp2014)と、第28回国際応用心理学会議icap2014)にてご発表され、多くの方に感動を巻き起こしてもいます(当日もしかしたら、国際大会でご一緒に発表された、本会副会長の尾崎真奈美さんも登壇されるかも)。

当日は「森になる」の冊子やDVDも会場にて販売できるよう、企画中です。生き死にを、自分の亡くなったあとから考える「森になる」。スピリチュアルの原点がここにもありますね。

多くの方にこの活動を知っていただければと願っています。

第11回大会は、濃密な時間となります!
この空気を一緒に味わいましょう!

大会参加についてはこちらから

http://transpersonal.jp/11th/apply/

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「森になる」とは、木を植えて、自らが木となり森となって、これから生まれてくるいのちと環境に貢献する活動である。植樹を通じ、実際にその木を通じていのちが継承されるだけでなく、自分がその木、そして森になるのだとイメージすることにより、個人としての意識が環境へと拡大する。個人意識の拡大―セルフイメージの拡大は、トランスパーソナルのための大きな補助となるに違いない。

古来より、セルフイメージの拡大のために、様々な瞑想法や呼吸法が行われてきた。そのひとつにチベット仏教で用いられる「トンレン(Tonglen)」と呼ばれる瞑想法がある。「トンレン」とは、チベット語で「与えること」と「受け取ること」を意味する語である。この呼吸法を実践するときには、他者の苦しみを自分が受け取り、 自分の幸福と功徳を他者に与えるとイメージする。これは、利他心を訓練するためのもっとも優れた手段として重要視されており、ダライラマ十四世も、トンレンを毎日行なっていると言われる。 彼は、「この瞑想は、現実に他者を助ける効果があるかないかはともかく、私の心に安らぎを与えてくれる。私はより実践的になることができ、その恩恵は計り知れない」と述べたと伝えられている。*1

20周年記念の本大会での「森になる」発表においては、このトンレン瞑想法を応用した「森になる循環呼吸法」を行い、セルフイメージ拡大の一端を体験していただく。それによって「森になる」の理解へとリードしてみたい。樹木となる気功瞑想法も知られているが、自分が木になるイメージを持つことによって、私たちの生命活動がどれほど樹木や森に支えられているかが実感される。木々は人間の排出している二酸化炭素を吸い込み、光の力を借りてそれを酸素へと変換し人間に与えてくれる。「森になる」によって、メタファーとしての利他的イメージと物理的作用がここに統合されるのである。

今年7月にアムステルダムで開催されるヨーロッパポジティブ心理学会議において、本学会副会長・尾崎真奈美、常任理事・橋爪謙一郎と共に「森になる活動の利他的効果」に関するシンポジウム発表を行うことになっている。第11回学会当日はそれをふまえて、ヨーロッパのポジティブ心理学会議において、日本から発信するトランスパーソナルな意識がどのように受け止められるかも報告予定である。

また、本学会常任理事の橋爪謙一郎氏からは、311以降の陸前高田の「八木澤商店」の復興を例に、PTG(心的外傷後成長)について報告いただく予定である。

*1:チベット仏教に伝わるこの瞑想法は、インド出身のアティーシャの著した論文『菩提道灯論』によりチベットに伝えられた。

河野秀海(こうの しゅうかい)プロフィール
浄土宗僧侶。一般社団法人 森になる 代表理事。大学時代に吉福伸逸氏と出会い、人生に多大な影響を受ける。C+F研究所の前身であるシー・アンド・エフ・コミュニケーションズ設立に参画。実家大阪天龍院の28代目住職と老人ホーム理事長を弟に任せ現在は東京千代田区に在住。2005年より「森になる」を提唱し、心理学、ビジネス、哲学、アートなど各界の精鋭らと、トランスパーソナルな意識変容をもたらす文化装置としての「森になる」の活動を進め、世界に向けて発信している。
「森になる」HP http://morininaru.jimdo.com/