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おじんカウンセラーのトホホ通信 その11 父の臨死体験

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【その11】父の臨死体験

 

最近、父が出ていた映画をDVDで観る機会がありました。

それがきっかけで、ちょっと思い出したことを、第1回以来ひさしぶりで、父親ネタを書きたいと思います。

 

父は、今から15年前の1994年の3月に心不全で死去したのですが、そのまた12年前にも一度死にかけたことがあります。

 

健康診断で、静脈瘤が見つかり、このままだと命にもかかわると言うことで、父は、心臓の手術をすることになりました。手術自体は、事例もたくさんあり、心配はいらないと、医師から説明を受け、手術にふみきることになりました。

 

当時私は、会社員になりたての頃で、岡山勤務だったのですが、会社を休み、手術に立ち会いました。立ち会ったのは、母と私、それから叔父がふたりです。弟は、家で留守をしておりました。

 

長時間にわたる手術だったのですが、無事終わり、医師からは、「欠陥がもろくなっていたのですが、無事終了しました」との説明を受け、私たちは安心したものです。

 

病院には、母が残り、私とおじふたりは、病院近くの焼鳥屋に立ち寄り祝杯をあげました。その後、ほろ酔い気分で家に帰ると、いるはずの弟がおらず、彼からの置手紙がありました。そこには、「父が、緊急手術。至急病院にもどるように」と書かれていました。

 

あわてて病院に戻ってわかったのですが、どうやら、私たちが焼鳥屋でいっぱいやっている最中に心臓の血管が破れてしまったらしいんですね。それで、急きょ緊急手術になりました。

 

父は生死の境をさまよったのですが、なんとか再手術が成功し、その後何カ月か後に退院することができました。

 

退院の日、私は、車で病院に迎えに行きました。病院からの帰り道、後ろの席に座っていた父は、突然、「不思議なことがあるもんだ・・」と、ぽつぽつ語り始めました。

 

父によれば:

再手術の最中だったと思うんだけど・・。周りで騒いでいる声が聞こえてなぁー。

その声が、あれっと思ったんだけど、下から聞こえるんだ。

声のする方を見てみると、医者や看護婦があっち行ったりこっち行ったりしてるんだよなぁー。その真ん中に、おれがベッドに寝ているんだよ。

 

と、話し始めました。私と母は、父の話に引き込まれていきました。私は、その頃はまだ、臨死体験なんて言葉すら知らなかったのですが・・。

 

父は、続けます:

そうしたらな、いきなり、まわりが真っ暗になっちゃったんだよ。

あわててなぁー。どうしようかと思ったよ。

そうしたら、なんだか、右上の方に、ちいさな光が見えたんだ。

 

なんとなく、その光の方に行かなきゃって気持ちになってなぁー、そっちの方に歩いて行ったんだよ。

 

だんだん光が大きくなってきて、それは、本当にまばゆいばかりの光なんだ。

それで、おれは、その光の中に入って行った。

 

 

私も、母も、一言も発せずに、父の話に聞き入っていました。

 

 

父は、その先を話し始めました:

光の中に入ったら、そこは一面のお花畑だった。それは、きれいでなぁー。幸せな気分になったよ。

目の前に川が流れているんだ。ちいさな川だけど、きれいに澄んでいたなぁ。

なにか気配を感じて、川の向こう岸を見たんだ。

そうしたら、もう死んでしまった懐かしい友達がいるんだよ。みんな、手を振っているんだよ。

おれも夢中で手をふってな。川の中に一歩、二歩とふみだしたんだよ。

 

そうしたら、・・・。

ひとり、変なやつがいたんだ。

 

どうも、変だ、見おぼえないぞって思って、誰だろうと目を凝らしたら・・・。

だれだったと思う?善之。

 

と、運転している私に突然、父は話をふりました。

 

20代だった私は、「そんなのわかんねーよ」と、若者らしく答えました。

 

父は、ふと小さい笑いを浮かべ;

それがなぁ、赤鬼だったんだよ。角が生えててなぁー。

なんで、赤鬼なんだって、おれは考えたんだよ。

 

あっと思ったんだ、「待てよ、赤は、止まれだ!!」

それで、俺はもどってきたんだ。

 

なぁ、善之、もし、あれが青鬼だったら、おれは、逝っていたよ。

 

 

私は、運転しながら、ずっこけてしまいました。

「なんだよ、まじめに聞いていたのに、ジョークかよ!」

私は、やはり、20代の若者らしく、父につっこみをいれ、母は、「やーね、まったく。まじめに聞いて、損したわ」とすねておりました。

 

そして、バックミラーにうつった父は、してやったりといった表情で、にやっと笑っていたのを、今でも覚えています。

 

まったく、映画ではこわもての役をやったり、まじめな刑事役をやったりしていた父ですが、こうした冗談は、日常茶飯事でした。

 

でも、トランスパーソナル学とかに手を染めた今から思うと、「冗談めかしていたけど、父は、本当に臨死体験をしたんじゃないかな?」なんて思います。

 

もう時すでに遅しですけど・・。

 

父は、「教えてやらねぇーよ」と、にやっと笑っているんでしょうね。

 

(第11回おわり)

 向後善之

 

日本トランスパーソナル学会 事務局長

ハートコンシェルジュ カウンセラー

 

 

 

更新日:2009.05.22
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