わたしをかえた3冊(久保 隆司)

コリン・ウィルソン 『アウトサイダー

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中学時代に出会った本ですが、思春期のせいか当時は非常に鋭くクールに感じました。”アウトサイダー”という強力なアイデンティティを獲得するきっかけとなりました。おかげさまで、アウトサイダーとしての魂を保持しながら、その後の人生も着実に(?)に歩んできています。コリン・ウィルソンのおかげで、バーナード・ショー、ロレンス、グルジェフ、シュタイナー、マズロー、ユングなど、人生を楽しくしてれる人物の存在を10代のうちに知りえたことは誠に幸運でした。


坂口安吾『堕落論

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この本とは高一のときに出合ったと思いますが、非常に勇気付けられたような、とても共感した記憶があります。生きることに腹が据わったというか、汚い部分や絶望をしっかりと受け止め、その中にこそある生の力、美、意志の肯定に感動しました。以来数十年間、読んでいないので、今読むとどのように感じるかは不明ですが、すでに血肉となっていると思うので(たぶん)、今の私には読む必要はないような気はしますが、どうでしょうか。


ケン・ウィルバー『『万物の歴史』 (A Brief History of Everything)

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最後に、日本語訳で初めて四象限が扱われ、ウィルバーの著作の中ではアメリカで最も売れた本書をあげたいと思います。ウィルバーとの出会いによって文字通りその後の人生が変わりました。”アウトサイダー魂”にも再度火がつけられ、今は”インテグラリスト”としてのアイデンティティへと変容しています。さあ、皆さん、一緒に世界を探検し、身近なところから世界を変えるアクションを起こしていきましょう!(追記:4月4日にケン・ウィルバーとあう機会がありました。持病の深刻さは変わらないものの元気で、近年の著作活動も過去にないほど活発だそうです。今年還暦を迎えました)