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シンポジウム
死の間際に“目覚める”こと
〜多様な意識状態への新たな支援を探る〜

 病気や老衰などで死のプロセスにある人たちは、だんだんと無口になり、言葉を発しなくなっていきます。声かけに反応してくれる時もあれば、してくれない時もありますが、すでに“昏睡状態”のようになっていく方は少なくありません。そんな意識がだんだんと朦朧とし、昏睡に近い状態になる方の中に、なんらかの形で“最後のメッセージ”を遺してくださる方がいらっしゃいました。神田橋條治先生は、著書「ともにある<1>」の中で次のようにおっしゃっています。

「がんの末期の人によく起こってくるスピリチュアルペインという、本質として心の痛みなのが、器質的な病変に投影されて起こってくる……。これはわりに普遍的に起こってくる…この痛みを医者は痛み止めで取ろうとする。…一応取れるんだけど、薬で安らかにしてあげた場合は、死ぬまでに体験できたであろう、新しい甦った自分、正確に言うと、今まで覆われていた自分への目覚めが得られないまま、あるいは生かされないままに死んでしまうから、薬で取ることは尊厳のテーマが絡んでくるね」

 神田橋條治「ともにある<Ⅰ>」より

 死のプロセスにおいて、これまで得られなかった思いに至ったり、意識がほぼないような状態から突然意識を取り戻して、家族にメッセージを遺していかれる方もいます。このような、亡くなる間際に生じる覚醒は、ある種の悟りのような状態だと言えるかもしれません。このシンポジウムでは、特に死の間際にあって“通常ではない意識状態にある”人たちに対して、生を全うできるような“寄り添い方”について、そして死の間際が“覚醒する”チャンスであるかもしれないという可能性について探っていきたいと思います。

 日時:2017年12月8日(金)19:00-21:00
    *開場 18:30
 会場:新宿文化センター(3階)小ホール
 住所:東京都新宿区新宿6-14-1
 交通アクセス:
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/bunka-center/traffic-access/
 周辺地図:
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/regasu/wp-content/uploads/2012/12/599df936f9453e6ded93625e1d56a64c.pdf

 参加費:4,000円(事前予約制)
 *日本語通訳付き

登壇者:

◇ 濱野清志先生
1956年神戸市生まれ。京都大学法学部、京都大学教育学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了(臨床心理学)。現在は京都文教大学臨床心理学部臨床心理学科教授、京都文教大学心理臨床センター所長。著書「覚醒する心体—こころの自然/からだの自然」。気と心理学、身体とこころの心理学等を専門としている。

◇ Gary Reiss博士
米国出身。ワシントン大学にてソーシャルワーク修士号取得、オレゴン州にあるプロセスワーク研究所で教えながら、小さな町で自給自足をしながら地域において開業心理士として35年以上の経歴を持つ。認定プロセスワーカーとして、昏睡状態の人へのアプローチ“コーマワーク”を、創始者アーノルドミンデルから受け継ぎ、現在でも実践し続ける第一人者。”Inside coma”など著書・共著多数。

◇ 桑原 香苗
1963年東京生。早稲田大学修士(文学)、北米プロセスワーク研究所修士及びディプロマ(プロセスワーク)。日本プロセスワークセンターファカルティ。精神科領域の心理面接からエグゼクティブコーチング、人材・組織開発まで幅広く人と組織の成長をサポート。実父が亡くなる際に行ったコーマワークで家族関係が劇的に変化した経験からコーマワークの普及にも尽力。

◇ 佐野 浩子<モデレーター>
1970年東京生。文教大学大学院修士(人間科学)、北米プロセスワーク研究所修士及びディプロマ(プロセスワーク)。日本プロセスワークセンターセンター長/ファカルティ。臨床心理士。一般総合病院内で緩和ケア病棟での面接やファシリテーションなどを行っている。

★このような方におすすめいたします
緩和ケア等で看取りの仕事をされている医師・看護師・リハビリの方々
介護士など、看取りの仕事に携わる方々
亡くなるプロセスにある家族や友人がいらっしゃる方
臨床心理士、セラピスト、ボディワーカー、臨床宗教師の方々など。

<コーマワークとは?>
昏睡状態は夢を見ているような状態にいると考え、その夢の中に一緒に入っていくような気持ちで、呼吸を合わせ、その方にラジオのチャンネルを合わせるようにお会いします。その人は夢の中におり、未知なる自分に出会う成長の物語の途上にいるのだと仮説を立て、その人のささやかな表情の変化や、手足の動きを、夢の物語の一部として捉え、働きかけていくのです。
働きかけに対して、呼吸が深くなる、反応が大きくなるなど、エネルギーが高まる場合は、その方向性で合っていると考え、さらに続けていきます。もし呼吸が浅くなる、反応が小さくなるなど、反応のエネルギーが低くなっていく場合には、違う仮説に切り替えて、再度検証していきます。
仮説—働きかけーフィードバックを見る、ということを繰り返しながら、反応が良いところを手掛かりに、その人の人生の神話を辿っていきます。こうしたことを繰り返しているうちに、突然に意識を回復されたり、起き上がったり、明らかにこちらの働きかけに対して反応が返ってくるなどといったことが起こってくるのです。
不思議なことに、クライエントさんとお会いする前に、その方のプロセスを想像しながら、自分の心と向き合い、瞑想していると、お会いした瞬間に大きな反応を見せてくださる方もいます。関わる側のワーカーが、自分としっかり向き合い、深く降りてその方に寄り添うことが、すでにクライエントさんの変化を生み出すこともあるのです。
プロセスワークでは、昏睡状態などの意識状態を、プロセス(運命とでもいうべきもの)を生き切ろうとする本人の試みなのだと捉えます。本人にとっての未知の側面に出会うよう、プロセスが求めてきており、自分の中に生まれている新しい側面に心を開けるようにサポートしていくのです。

<プロセスワークとは?>
マサチューセッツ工科大学で物理学を専攻し、ユング派の分析家となったアーノルドミンデルによって1970年代に創始。深層心理学に土台を起きながらも、物理学、シャーマニズム、仏教、道教、コミュニケーション論などを取り込み、結果として心理学に止まらず、領域を身体や個人間の関係、組織や国家へと広げていった。すべてのものの背後にある”見えない力”をプロセスと呼び、そのプロセスの犠牲者になるのではなく、そのプロセスすら意味があることとして味方にするという、領域を超えたアプローチとなっている。

【詳細】https://www.facebook.com/events/126432121352558/