境界性パーソナリティ障害と自己活性化 ~見捨てられ不安・抑圧の本質と癒し~

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9月22日(木・祝)10:00~17:00

境界性パーソナリティ障害と自己活性化
~見捨てられ不安・抑圧の本質と癒し~

*当日セミナーにご参加できない方も、USBと資料の形で、
セミナー内容をご購入いただけます。

*初心者の方、一般の方のご参加も歓迎いたします。

1)あなたは、境界性パーソナリティ障害と聞くと、
何を思いますか?

「怖い」「人格を否定されるような診断」「治らない」、

といった否定的な思いやイメージを持つでしょうか?

2)私たちが、境界性パーソナリティ障害に、
プラスのイメージを抱いていると知ったら驚かれますか?

(質問)「プラスのイメージですって?」
(答え)「はい、肯定的で前向きなイメージです」

3)境界性パーソナリティ障害
(Boderline Personality Disorder、BPD)は、
あなたが日々の暮らしを自分らしく生きて、
機能するために必要な、
健康な主体を獲得するまでにあと一歩、というところまで
心が成長した状態・ありようをいいます。

それを支援するには、心の自己活性化、
という考え方が必要です。

あなたは、BPDが、肯定的側面を持った病態であることを
知っていましたか?

4)今回、私たちはBPDにまとわりついた、
誤ったイメージや偏見に、一石を投じたいと考えています。

また、BPDの癒しの可能性について、
具体的にお伝えすることを
意図しています。

BPDは、トランスパーソナル心理学、プロセスワーク、
ユング心理学、アドラー心理学、人間性心理学などに
関心を抱く人の中に、
しばし ば潜在している典型的病態の1つです。

このセミナーを、
BPDをプラスにとらえ、その前向きな点や潜在可能性に
ついて学ぶ機会としてください。

5)それにあたって、BPD治療の先駆者で第一人者の
ジェームズ・マスターソンの理論を全面的に取り上げます。

今回、マスターソン理論を中心に、
BPDについてがっちりと学びます。

そこから、癒し、自己活性化、成長のための
具体的なノウハウを、
基本からトレーニングします。

6)境界性パーソナリティ障害を、
見捨てられ不安・抑うつというところから理解することを
最初に試みたのが、J.マスターソンです。

彼は、BPDの人が、自分自身になろうとするとき、
すなわち、人とは異なる主体性を作ろう とするとき、
見捨てられ不安(=分離不安)や抑うつが、
心の深層から思わず湧き上がる、と考えました。

マスターソンの理論は、
マーガレット・マーラーの精神分析的発達心理学を
よりどころにしています。

マーラー女史によると、
心は、他人と地続きで未分化だったところ(共生期)から、
分離・分化(seperation)され、
個体化・個性化(individuation)されていきます。

分離ー固体化の、初期の段階で
心の発達が停止し、固着すると、将来、
自己愛性パーソナリティ障害に苦しむ危険が生まれます。

一方、その後期の段階での心の成長の停止、固着が、
将来、境界性パーソナリティ障害として現れかねない、
と、マスターソンは、考えました。

7)この停 止状態が、新たに再活動し、成長・発展すると、
見捨てられ不安(分離不安)や抑うつが
湧き上がってきます。

それは、心の再活性化、成長に伴う
肯定的で、前向きで、可能性を持った不安であり、
抑うつ感です。

それが、マスターソンの考え方の前提です。

マスターソン・アプローチは、
心の活性化をいかに行うか、また、
そこで湧き上がる見捨てられ不安や抑うつと
どうつきあうか、かかわるか、取り組むか、
についての具体的な方法を提示してくれます。

8)しかし、この不安や抑うつは、
ご本人には当然ながら、プラスには思えません。
とても辛く、苦痛に満ちているからです。

そのため、スプリッティング(分割排除)という
心の防衛の方法を 無意識のうちに使って、
見捨てられ不安(分離不安)や抑うつ感を遠ざけ、
なきものにしてしまいます。

9)ところでスプリッティングは、心というよりも、
正確には、「身体自我」の次元で生じることです。

今回、「身体自我」や「精神自我」という概念
(トランスパーソナル心理学のM.ウオッシュバーンの言葉)をご紹介し、
境界性パーソナリティ障害のより正確な理解を進め、
その癒しの作業に
より自信をもって関与できるようになることを、
目的とします。

10)BPDにまつわる
見捨てられ不安(分離不安)や抑うつは、
基本、健全なものです。

しかし、苦痛が伴いますので、BPDの人は、
行動化(acting out)という形でジタバタして、
辛さを放出、発散、排せつしようとします。

それに対するマスターソン・アプローチは、
辛さと痛みを伴う不安、抑うつを
誠実に感じ取ることで、プロセスを進めていくことです。

不安、抑うつとの直面化が、
心の分離ー個体化(分化ー個性化)を推し進め、
健康な自我主体づくりに通じると考られています。

11)しかし、健康な見捨てられ不安や抑うつとは
何でしょうか?

それは、病的な、不健康な見捨てられ不安と、
どう異なるのでしょうか?

その違いの見極め方は、どうすれば可能なのでしょうか?

12)また、健康な見捨てられ不安・抑うつと直面化するとは、
何をどうすればいいのでしょう?

なぜ、BPDの癒 しには、不安や抑うつと誠実に向き合うことが
不可欠なのでしょう?

マスターソン・アプローチの鍵は、直面化ですが、
そのやり方は、独特です。

マスターソンの直面化について、基本からトレーニングします。

13)ところでマスターソンは、
不健康な見捨てられ不安と、直面化するのはよくない、
と述べます。

不健全な不安や直面化は、自我主体を破壊しかねない、
と警告します。

それは、何を意味するのでしょう?

なぜ、不健康な見捨てられ不安との直面化に、
マスターソンは、否定的なのでしょうか?

14)こうした点をひとつひとつクリアし、
マスターソン・アプローチを中心に、
境界性パーソナリティ障害の理解と対応の
基本から最先 端までを学びます。

特に、マスターソンの「自己傷害の3連鎖」は、卓見です。

ご一緒に学びましょう。

15)マスターソンの境界性パーソナリティ障害の
パースペクティブは、
日本の心理療法の世界で古くから用いられてきた
「境界例」(注「きょうがいれい」、と読みます)と、
相当異なります。

境界例は、オットー・カーンバーグの
「境界性人格構造」(自己愛性パーソナリティ障害と
境界性パーソナリティ障害を一緒にしたもの)
を基にしています。

また、ハインツ・コフートが言う「潜在精神病」も、
そこに含まれていたりします。

ですので、境界例は、精神病水準に、よい近い病態です。

一方、マスターソンの境界性パーソナリティ障害は 、
神経症水準に、より近い病態です。

そのため、両者のBPDに対する理解とアプローチには、
大きな隔たりがあります。

そうした違いを、今回、よく見ていきたいと考えています。

16)BPDは、カウンセリングを訪れる人の多くに
潜在しているにもかかわらず、
その見抜き方がわからない、かかわり方を知らない
といった訴えを、
心理カウンセラー、コーチ、ファシリテーターの方々から
しばしば耳にします。

このセミナーでは、BPDへのプロフェッショナルな
理解や関与の仕方を学んでいきます。

皆様のご参加をお待ちしています。

*初心者の方、一般の方のご参加も歓迎いたします。

*当日セミナーにご参加できない方も、USBと資料の形で、
セミナ ー内容をご購入いただけます。

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日時:9月22日(木、祝)10:00~17:00

開場:9:50

会場:都内

講師: 富士見ユキオ
    認定プロセスワーカー(日本にプロセスワークを紹介、導入する)、
    臨床心理士
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    ニューヨーク州立大学卒業(人類学部)、
    米国トランスパーソナル心理学研究所に、日本人として初めて留学する。
    MA(修士)。

   岸原千雅子
    ミンデル夫妻認定プロセスワーク セカンド・トレーニング教師、
    臨床心理士、
    ファミリービジネス・アドバイザー資格認定保持者、
    交渉アナリスト1級 日本交渉協会認定、
    相続アドバイザー協議会認定会員、
    英国IFA認定アロマセラピスト、
    お茶の水女子大学卒業(文教育学部)。
    修士、
    日本ホリスティック医学協会副会長、
    日本トランスパーソナル学会理事。

参加費:20,000円+消費税(8%)

*USB+資料の形で、遠方の方にも、セミナー内容を販売しています。

お問い合わせ先:インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー
IPP(Institute of Professional Psychotherapy)
事務局(Administration Office)
Mail:
Fax:03-5570-2860

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《今後のセミナー日程》

・10月23日(日)「うつの多様性・多次元性とそのアプローチ」
・11月23日(水・祝)「強迫神経症を生きる~内なる強迫との取り組み~」
・12月23日(金・祝)24日(土)25日(日)年末集中3日間セミナー「4大関係療法を理解する」