【その27】フィンランドで中等教育そしてハーバードへ!

とあるお店で、昼すぎにコーヒーを飲んでいた時のことですが、隣で、主婦の方がおふたりお話をされていたのを、それとはなしに聞くことがありました。

彼女たちは、子供の受験の話をされています。カイセイだの、アザブだの、ワセダだの、ケイオーだのと、名門校の名前がポンポン出てきて、まあにぎやかです。話の中に72とか73とかの数字が、出てくるのですが、偏差値のことなんでしょうね。それにしても、よくご存じなので感心します。

まあ、こうした会話はよく耳にすることで、興味もないので、私は持ち歩いていた文庫本を読んでいたのですが、そのうち、「えっ?!」と思う言葉が(主婦のおふたりの方から)飛び込んできて、思わず、文庫本から目を離してしまいました。

私が驚いた言葉は、「中学浪人」という言葉です。

彼女たちの話によれば、最近よりよい高校に進学するために、浪人する子供がいるそうなのです。それを「中学浪人」と言うのだそうです。最初、小学校を卒業した子が志望校に入るために浪人するのかと思ったら、そうじゃなくて、中学を卒業した子が浪人することを「中学浪人」と言うのだそうです。

今、私立有名校が受験に有利ということもあるし、名門大学にエスカレーター式に進学できる学校は、相変わらず人気なのでしょうね。しかし、中学浪人とは・・。

彼女たちのお話に耳をそばだててみると、高校に進学しながら、よりレベルの高い学校を受けるために、一応受かった高校には進学手続きをするのですが、それは、みかけだけで、実は中学浪人している子供が増えているのだそうです。

「●▲さんの息子さんも@*高校に進学しながら勉強して、1年遅れでワセダに入りなおしたのよ」、「いいところ入るためなら、中学浪人もありよね」などなど、まあ、にぎやかです。あげくのはてには、「大学は、ワセダ、ケイオーぐらいには入ってほしいわよね」だそうです。とほほですね・・、まったく。

ワセダやケイオーに入るのはどれだけ大変なことなのかわかっているのでしょうか?そして、自分たちが受験で苦労したことをすっかり忘れちゃっているのでしょうか?簡単に、「・・ぐらい」って言っちゃうんですからね。彼女たちの子供たちがストレスでつぶれなきゃ良いのですが・・。

そもそも、大学を出てからの方が、人生長いのだし・・。

お受験は、それだけにとどまりません。次々に新手が現れます。
去年の年末、朝日新聞だったと思いますが、最近、東大ではなく、ハーバードやエールなどの海外の大学をめざす日本人が増えてきたとのことで、そのための予備校もあるという記事を読みました。

その記事を読んで、そのうち、「西海岸なら、スタンフォードかUC校、東海岸ならアイビーリーグかMITぐらい入れなきゃね」なんて会話が飛び交うんじゃないかと思っていたのですが、どうやら、冗談じゃなく、本当にそんな時代になりつつあるみたいです。

私は、最近「カウンセラーへの長い旅」という本を出したのですが、いざ出版すると、売れ行きが気になるもので、ちょこちょこアマゾンのランキングなんかをチェックしています。ランキングを見ていると、いろいろな発見があります。

私の本は、「海外教育・留学」や「留学ガイド」部門に分類されているのですが、その部門にリストされている本の中で、「5歳からはじめるハーバード留学準備」なんて題名を見つけたりして、いやはや驚いています。中身がどんな本なのかは知りませんが、5歳からそんなことを目標にするんですかねぇー。んーーー。上位ランクの中に、けっこう「ハーバード本」が多いですねー。

アメリカは大学名で学校を選ぶ人も、そりゃーいますけど、少数なんですがね。多くの学生は、「何を勉強したいから○◎大学」とか、「@%$先生の下で勉強したいから■◆大学」という選び方をするケースが多いと思います。「学部はどこでもいいから有名大学に」という強迫的な選び方は、アメリカにいたとき、私の周りでは聞いたことがありませんでした。

「ハーバード本」以外で目につくのが、フィンランド教育関係の一連の本です。どうやら、フィンランドは教育レベルが高く、15歳の学力が世界一なのだそうです。

なんでも、2006年の学習到達度の調査結果では、フィンランドは、57か国中、科学的リテラシーが1位で、読解力と数学的リテラシーが共に2位です。ちなみに日本は、科学的リテラシーが5位で、読解力が15位、数学的リテラシー10位です。

そのためか、フィンランド教育関係の本が、アマゾンの「海外教育・留学」部門でのきなみ上位に君臨しているんです。謙虚に「海外に学べ!」というのは、明治以降日本の得意分野ですし、それはそれで、有意義だとは思います。多くの本は、教育関係者が参考にするための目的で書かれたものなのでしょう。しかし、中には、子供の留学体験の本もちらほらありました。

ひょっとして、そのうちフィンランドの小中学校に、日本人の子供が大挙しておしかけるなんてムーブメントが起きるのではないかなんて思ってしまいます。

「フィンランドで中等教育を受け、めざすは、ハーバード!」なんてキャッチコピーができるのかも??

日本のお受験もグローバル化???

いいのかな?これで・・。

(第27回おわり)

向後善之

日本トランスパーソナル学会事務局長

ハートコンシェルジュ カウンセラー